NHKスペシャル

日中外交はこうして始まった

1972年の日中国交正常化から40年。戦後の日中関係はどのようにして始まったのだろうか。
民間の経済外交で日中をつなぎ、「LT貿易」の頭文字にもなった高碕達之助の記録がこの程公開され、周恩来との秘密会談など水面下の交渉が明らかになった。
1955年、インドネシア・バンドン会議の代表だった高碕は、米中の緊張緩和が不可欠と考えアメリカでケネディらに日中修好を訴え、1960年周恩来との会談でプラント輸出を実現させる。独自の外交を模索した高碕の民間外交は、いま再評価が始まっている。
また、最近の外交文書の公開により、外務省の中にも中国課を中心としたグループが1950年代後半から、国交正常化へ動いていたことが明らかになってきた。こうした流れを受けて、大平正芳外相を中心に田中訪中が実現したのだ。一方、中国でも1960年代の外交記録が部分的に公開され、中ソ対立の中で日本と関係回復をはかった毛沢東・周恩来のしたたかな国際戦略が浮かび上がってきた。
番組では新たに発見、公開された資料をもとに日中国交正常化に至る道のりを国際的なスケールで描き、残された課題を見つめる。