NHKスペシャル

最期の笑顔 ~納棺師が描いた 東日本大震災~

水彩画で描かれたやさしく、穏やかな笑顔・・・。一枚、一枚、水彩絵の具で丁寧に描かれた「目を閉じた“笑顔”」、横には手書きの言葉が添えられている・・・。
「おかあさんだ、おかあさーん! 復元後に対面してもらったとき、娘さんたちが大声で泣いた・・・お母さんもきっとね 娘さんたちのために大きな声で泣いてる・・・」

絵を描いているのは被災地の「おくりびと」笹原留似子さん(ささはら・るいこ)、40才。津波に流され損傷した遺体の傷をボランティアで修復、死化粧を施して家族に最後の対面をさせてきた納棺師だ。生後10日の赤ん坊から90才を超えるおばあちゃんまで、300人を超える遺体を手がけてきた。修復された遺体は皆、安らかな微笑みを浮かべた表情になり、家族と最後の対面を果たした。番組では、優しい“絵”、そして笹原さんによって最後の対面をした時の家族の“言葉”の中から、震災という悲劇の中に見いだされた家族の愛情の深さ、人間の優しさを見つめ直したい。