NHKスペシャル

激論!ニッポンのエネルギー

ニッポンのエネルギーをどう確保していくのか、いま私たちにその選択が迫られている。
原発事故を受け、見直されることになった「エネルギー基本計画」。2030年のエネルギーの割合をどうするか、9か月に及ぶ有識者の議論を踏まえ、3つの選択肢が示された。(1)原子力「0パーセント」再生可能エネルギー「35パーセント」、(2)原子力「15パーセント」再生可能エネルギー「30パーセント」、(3)原子力「20~25パーセント」再生可能エネルギー「25~30パーセント」、という3つである。これを踏まえ、国はこの夏、国民的議論を行うとしている。
原発という選択肢を完全に捨ててよいのか?再生可能エネルギーがどこまで広がるのか?コスト増にどこまで耐えられるのか?など、専門家の間でも意見は大きく割れている。こうした問題を私たちはどうとらえ、将来のエネルギーを選んでいけばよいか、徹底討論を通して考えていく。
スタジオには、「エネルギー基本計画」を取りまとめる責任者の古川国家戦略担当相、3つの選択肢を提示した3人の専門家、そして経済界や消費者など様々な視点からのゲストにも参加してもらい、問題の本質を分かりやすく伝える。

放送を終えて

福島第一原発の事故以来、繰り返し議論されてきたエネルギー問題。制作にあたって腐心したのが、「安心・安全」、「コスト」、「地球温暖化」、「エネルギー安全保障」など多様な視点がある中で、論点をどう整理し、議論の前提となる情報をわかりやすく提示するかということでした。
また、新たな試みとして、政府が提示しているエネルギー政策に関する3つの選択肢について、事前に依頼したモニターによるアンケートも行いました。さらに、番組内ですべてをご紹介することはできませんでしたが、およそ1万件に上るメールやFAXをお寄せいただきました。こうした視聴者のご意見は、議論をより活性化することにつながったと思います。
政府は“国民的議論”を経て、8月中にもエネルギー基本計画をとりまとめようとしていますが、どのように国民の声に耳を傾けていくのか、注視していきたいと考えています。

ディレクター 班目幸司