NHKスペシャル

知られざる大英博物館 第3集 日本 巨大古墳の謎

収蔵品数800万点を誇る世界有数の大英博物館。しかし、全収蔵品の実に99%は、収蔵庫の中に眠っている。それらの未公開コレクションと、大英博物館の舞台裏で行われている調査研究を中心に、知られざる歴史の真実に迫るシリーズ。
第3集は「日本」。
ピラミッドや始皇帝陵とならぶ世界最大級の墓、巨大古墳。3世紀半ばから350年に渡る古墳時代は、文字資料がほとんどないため、未だ謎に満ちている。その巨大古墳の謎を解く鍵も、日本から遠く離れた大英博物館にあった。明治時代に来日した、一人のイギリス人が日本から持ち帰った膨大な古墳のコレクション。以来、120年以上も収蔵庫に眠り続けてきたコレクションの本格的な調査が、大英博物館と日本の合同チームにより、昨年から始まった。その結果、1500年ぶりによみがえった今はなき幻の古墳。そして、日本独自の進化を遂げた巨大古墳の知られざる実像も浮かび上がってくる。日本の未知なる古代史をひもといていく。
ナビゲーター:堺雅人さん(俳優)

放送を終えて

大英博物館の収蔵庫から、知られざる歴史の真実に迫る今回のシリーズ。古代エジプト、古代ギリシャという偉大な文明に続き、最終集として「日本」を舞台にすることができたのは、意外に思った方も多かったかもしれないが、とても意味のあることだったのではないかと感じている。
ウィリアム・ガウランドという一人のイギリス人が集めた、知られざる古墳時代のコレクションの調査から、新たな古墳時代の実像を探ろうとした今回の番組では、世界中の文明の遺産を集めている「大英博物館」に視点を据えることで、独特で巨大な古墳が数多くつくられた古代日本を、世界の特色ある文明のひとつと捉え、日本列島に本格的な国家が成立する以前の古代の人々の営みを、改めて見直すことができたのではないかと思っている。
全国各地に数多くの古墳が今も点在している。そのひとつひとつに、いわば「日本の原型」が眠っている。この番組が、皆さんの身近にある古墳を見つめ直し、古代の日本に思いをはせるきっかけになったとすれば、制作者として、これほど嬉しいことはない。

ディレクター 齋藤真貴