NHKスペシャル

マネー資本主義 第1回
“暴走”はなぜ止められなかったのか
~アメリカ投資銀行の興亡~

金融危機はなぜ起きたのか。巨大マネーはどのように膨張していったのか。マネー資本主義の主役として批判の的となっているのが、リーマンショックを起こした当事者でもある「投資銀行」である。

かつて企業への財務アドバイザー部門が中心だった投資銀行は、1970年以降の規制緩和と金融資本の膨張を背景に債券市場という新たな場で、次々と新手の金融商品や取引手法を編み出し、金融の枠組みそのものを変えていった。ソロモンブラザーズをはじめ、伝説的な企業が攻防を繰り返しながら、アメリカ経済、ひいては世界経済を牽引する回路を作り上げていく。「超レバレッジ」「莫大な成功報酬」「リスク管理の限界」など、サブプライム・ローンにつながる巨大なリスクを、投資銀行が激しい競争を繰り広げる中で自ら抱え込んでいったのである。投資銀行を変質させ、最後には破たんにまで追い詰めたターニングポイントはどこにあったのか。いま、その当事者たちが沈黙を破り、真相を語り始めた。

数々のヘッジファンドの産みの親となり、歴代アメリカ財務長官を輩出、バブル経済のけん引力となって最後は業界ごと消滅する「投資銀行」の劇的な攻防を描いていく。