NHKスペシャル

法隆寺再建の謎

飛鳥時代に聖徳太子が創建した法隆寺。現存する世界最古の木造建築であり、比類のない寺宝を持つ。昨年、その中心となる伽藍・金堂で大規模な修復工事が行われた。それに伴い金堂内の仏像群を堂外に移動することとなり、普段は間近に見ることのできない国宝の仏像を詳細に撮影できる希有な機会が訪れた。また建物の科学調査が進められ、この調査に密着取材することができた。法隆寺は一度火災に遭い、現在の伽藍はその後再建されたものだとされてきた。ところが今回、金堂に使われている木材の年輪を調査したところ、そうした常識を覆す結果が出た。そこから浮かび上がってきたのは、国難に直面した人々が聖徳太子の権威を借りて国をひとつにまとめていこうとする物語だった。番組では最新の研究を基に、金堂の建設当初の姿を今に蘇らせ、そこに秘められた聖徳太子を巡る知られざる物語を明らかにしていく。