NHKスペシャル

あなたは死刑を言い渡せますか ~ドキュメント裁判員法廷~

12月初め、全国30万人(350人に1人の割合)の元に、裁判員の候補になったことを知らせる通知が届く。裁判員制度がいよいよ来年5月に始まり、決して他人事ではないことを、実感する瞬間だ。
裁判員制度は無作為に選ばれた6人の市民がプロの裁判官3人とともに判決を下すもの。対象は殺人・強盗致死傷などの重大刑事事件で、年間およそ3000件にのぼると見られる。最も重い刑は「死刑」。一般の市民が被告の生死を決める重い判断を迫られることになるが、その時にどのような葛藤を抱くことになるのか、どのような決断をしなければならないのかについては、裁判所による検証が行われていない。
そこでNHKでは独自に、本格的な模擬裁判を実施した。実際に起きた強盗殺人事件をモデルに、裁判官、検察官、弁護士役をいずれも経験豊富な専門家に依頼し、台本なしで真剣勝負をしてもらった。主役となる裁判員は無作為で選ばれた一般の市民6人。3日間にわたって行った裁判で、彼らは何に悩み、どんな意見を戦わせたのか、そのドキュメントを通じて、裁判員制度で私たちが向きあうことになる現実を浮き彫りにする。