NHKスペシャル

アメリカ発 世界金融危機

米証券会社リーマン・ブラザーズの経営破綻後、国際金融市場は「世界恐慌」以来の深刻な金融危機に直面している。一体、何が起きているのか。
発端は去年8月の“サブプライム・ショック”。サブプライムローンを組み込んだ証券化商品の価値が下がったことで損失を抱えた金融機関が、疑心暗鬼になり、信用を前提に資金を融通し合ってきた金融市場が機能不全に陥った。
マネーの流れが滞ったことで窮地に追い込まれたのが、巨額の資金を市場で調達し、金融工学を使ったハイリスク・ハイリターンの投資で大きな利益を得てきた金融機関だった。
この金融ビジネスを大々的に行ってきた米大手証券会社は、資金繰りに困窮し次々に消滅、90年代から世界の経済成長を牽引してきた金融ビジネスモデルは、終焉を迎えた。
しかし、その後も信用収縮は続き、世界の中央銀行の大規模な資金供給にも関わらず、金融機関が資金を確保しにくい状態は依然続いて、世界は同時不況の瀬戸際に立たされている。
アメリカ型の金融ビジネスモデルは、なぜ崩壊したのか。世界経済は今後どうなるのか。日々報じられている経済ニュースを掘り下げ、金融危機の深層を分かりやすく伝える。