NHKスペシャル

“活断層大地震”の脅威 ~情報公開をどう進めるか~

およそ2000の活断層があるといわれる日本。いま、私たちの足下に潜む活断層が動き出し、多くの命を奪う地震災害が相次いでいる。

04年の新潟県中越地震、05年の福岡県西方沖地震、07年の新潟県中越沖地震、そして今年の岩手・宮城内陸地震。専門家は日本列島の大半が、活断層による地震の「活動期」に入っていると警鐘を鳴らす。相次ぐ地震に政府もこれまで見過ごされてきた活断層について、早急に調査を進める方針を打ち出している。

大都市・大阪の直下を通る活断層で地震が起きると、4万人以上が死亡するという衝撃的な想定も公表された。
突きつけられる不都合な真実をいま、私たちはどう受け止めたらいいのか。

そんな中、三重県四日市市では、県が独自に調査し公開した活断層の地図が住民に波紋を広げている。小学校の真下に活断層が通っている可能性が高いことがわかり、校舎の建て替え計画が変更を迫られている。一方、福岡市は今年、活断層沿いの建物に、より高い耐震性を求める条例の制定に踏み切った。コストアップを強いられる不動産・建設業界とどう折り合いをつけていくのか試行錯誤が続いている。

番組では、世界に先駆けて徹底した活断層の情報公開を進め、街作りに生かしているニュージーランドの取り組みも紹介。活断層列島・日本に暮らす私たちが避けて通ることのできない足下のリスクにどう向き合っていけばいいのか、考えていく。