NHKスペシャル

大返済時代 ~借金200兆円 始まった住民負担~

いま全国各地で公共料金の値上げや、公共サービスのカットが相次いでいる。上下水道の料金の大幅値上げをはじめ、医療費補助のカット、自治体独自の増税など、住民生活を直撃するものばかりだ。

きっかけは、夕張市の財政が破綻状態になったこと受けて去年成立した「地方財政健全化法」。自治体本体の「一般会計」に、上下水道や公立病院、交通機関といった公営事業の「特別会計」を連結して財政状態をチェックすることになり、「隠れ借金」とも言うべき公営事業の借金が表面化しようとしている。自治体は借金や赤字の状態によっては実質的な破綻と見なされ、国の監督下に置かれることから、公共サービスの見直しにまで手を付けざるを得なくなったのである。

NHKは全国1800市区町村への調査を実施。公共料金の値上げなどで新たな住民負担を強いる自治体が56%にのぼることが判明した。番組では各地の現状を緊急取材。母子家庭やお年寄りの世帯などが深刻な状態に陥っている現状や、住み慣れた町を捨てる決断までした人の姿を描くほか、借金の正体にも迫る。自治体の借金を住民が返す「大返済時代」。それが今、始まっている。