NHKスペシャル

社員みんなで会社を買った ~地方発 “EBO” の挑戦~

太陽電池製造の中堅日本メーカーが買収された。相手は、業界で世界シェア4位に急浮上した中国企業だ。
日本メーカーの技術ノウハウとブランドは、海外からも高く評価され、工場の社員たちは将来を疑っていなかった。しかし買収半年後、事態は急変。大規模なリストラが実施された。

突然、工場の閉鎖を告げられた福岡大牟田工場の100人。最初は呆然となったが、彼らは自らの手での工場存続に立ち上がる。その手段となったのが、日本ではほとんど実例のない、「EBO」 “従業員自身による企業買収”だった。工員たちは自ら資金を出し合いながら、老練の工場長を中心に結束。工場のものづくりに共感した元銀行マンも、司令塔として仲間に加わった。
新会社としてゼロからスタートする工場。しかし本当の試練はそこからだ。もともと経営者の経験などない社員たち。指示を受けて動いていた工場が、いきなり会社に変われるのか。世界のライバル企業に立ち向かえるか。社員たちは「全員株主」の団結を武器に新たな戦いに挑む。

沸騰する環境ビジネスの巨大市場を舞台に、地方のものづくりの現場が挑んだ大いなる試みの行方を追う。