NHKスペシャル

闘うリハビリ 第2回 早期リハビリ “常識”への挑戦

リハビリは、医療と介護のしくみも変えはじめている。

長野県松本市の相澤病院では、手術直後から、リハビリ科医が治療に参加する。これまでは、治療終了後、病状が安定してから行なうのがリハビリの常識だったが、ここでは脳卒中で患者が救急病棟に運び込まれた直後から、腕や足を動かすリハビリが開始される。点滴も可能な限り早くはずし、自分の力で食べさせる。従来は絶対だった「安静」が、逆に身体の機能を著しく落とすことが判明したからだ。
早期から、リハビリチームが、脳神経外科や神経内科とチームを組むことで、患者の早期の回復が可能となった。さらに、退院した後の在宅・介護の現場でも、リハビリ科医が引きつづき一貫して診ることで、制度や専門領域の“壁”を越えて“人”を診る医療が可能となってきている。

医療の意識を大きく変えようとするリハビリの可能性をドキュメントする。