NHKスペシャル

にっぽん 家族の肖像 最終集 うちらがおるから大丈夫や

一度はバラバラになってしまった家族を取り戻すことができるのか。
病気の親を支えて生きる、子どもたちの6年の記録 ―

日本人の父親とフィリピン人の母親との間に生まれた博さん(21)。中学1年の時に、父が病気で亡くなったことで、母のレオノーラさんが酒に溺れ、アルコール依存症になった。母は病院に収容され、博さんとまだ幼かった3人の弟、妹たちは別々の施設に引き取られ、家族はバラバラになった。
2002年4月、高校1年生になった博さんは、入院生活を送っていた母を引き取り、二人暮らしを始めた。15歳の博さんを支えていたのは、まだ父が生きていた頃の幸せだった家族の記憶。博さんは家事の全てを担いながら生活を建て直し、1年後には離れ離れに暮らしていた兄弟たちも引き取って、再び家族は一つになった。

それから5年、家族と歩み始めた子どもたちは今、どうしているのか…。

高校を卒業した博さんは大阪南港の運輸会社に就職、家族と離れて一人暮らしを始めた。
通天閣の家には、レオノーラさんと、思春期を迎えた3人の兄弟が今も暮らす。まだ体調が万全とは言えない母を兄弟たちが支えての生活。時々、博さんが実家に顔を出し、家族の暮らしぶりを見守っている。
今年に入って、博さんは母の世話や家のことを全面的に弟、妹たちに託そうと考えた。果たして、兄弟たちへのバトンタッチはうまくいくのか…。
 
博さんが母を引き取ってから6年。一度は失ってしまった家族を取り戻そうとする子どもたちの姿を通して、家族がひとつになることの難しさ、そして、それでも、家族とつながっていたいと思う絆の強さを伝えていく。