存続か廃止か ~岡山市・住民サービスをめぐる攻防~
岡山市の借金は、バブル崩壊後、増加の一途をたどり、今や7000億円。市民一人あたり100万円近い借金がある計算だ。市では、このまま手をこまねいていては4年後に、北海道夕張市と同じ、財政再建団体に転落すると試算している。岡山市は去年、財政危機を回避するため、2100に及ぶ市の事業について、行政サービスの総点検を始めた。公募で選ばれた市民の意見も参考に、公共事業から教育、福祉に到るまで、一切の聖域を設けず、抜本的見直しを行う。初年度は、全事業の3割について、廃止や民営化を含めた見直しを完了させるのが目標だ。このプロジェクトを進める特命チーム、行政改革推進課と、事業の存続を主張する担当部局との間で繰り広げられるギリギリの攻防をドキュメントし、膨張する一方の行政サービスを見直すことがなぜ難しいのか、地方自治体が住民に提供すべきサービスとは何なのか、検証する。