NHKスペシャル

激流中国 ある雑誌編集部 60日の攻防

来年の北京オリンピックに向け、中国政府がこれまでの情報管理のあり方を見直し始めた。建国以来、国家の宣伝機関と位置づけられてきた中国の国内メディアの現場では、何をどこまで報道できるのかをめぐって、さまざまな議論がわき起こっている。今回、NHKはある雑誌編集部の内部の撮影を許され、2ヶ月にわたってその現場に密着した。時事問題を扱う雑誌では中国有数の発行部数を誇るこの雑誌社は、厳しいテーマにも果敢に切り込む姿勢で、大きな人気を集めている。そこでカメラが捉えたのは、報道内容の線引きをめぐって行われるせめぎ合いだった。
中国ではタブーとされてきた困難な問題に挑もうとする若手記者や、農村に隠された驚愕の事実を取り上げようとするベテラン記者、報道姿勢を理由に袂を分かった敏腕記者。そして、こうした記者たちを取りまとめる立場の編集責任者。それぞれの葛藤を軸に物語は展開。どこまで報道できるか、を巡り、揺れ動く現場の姿をつぶさに追った。