NHKスペシャル

ラストメッセージ 第4集 夢 果てしなく
冒険家 植村直己

日本を代表する冒険家・植村直己がアラスカで消息をたって23年。今回、植村が語る貴重な講演映像(1981)が見つかった。「人の生きる本当の価値は、お金や肩書きなどではなく、夢を追い求め一瞬一瞬を精一杯生きることにあります」植村は、成功・失敗といった結果よりも、そこへ向かうプロセスこそが大切なのだと訴えている。
エベレスト日本人初登頂(1970)、北極やグリーンランド単独行などの成功の陰には、数々の失敗と苦闘があったが、常に、夢に向かって次の一歩を踏み出し続けた。そして最後に抱いていた夢は、子どもたちを対象にした「冒険学校」だった。「厳しい自然の中での体験を通して、豊かさの中で見失われがちな人間本来の“生きる力”を伝えたい」しかし植村はその夢を果たせずに、冬のマッキンリーに消えた。
植村の生き方は次の世代に大きな影響を与えている。北海道や山形に冒険学校が生まれ、多くの冒険家たちが子どもたちに「夢を追うことの大切さ」を語りかけている。
番組では、植村の映像記録を紐解くとともに、今なお生き続ける「植村スピリッツ」を追い、「精一杯生きること」を体現したその生き方を現代に甦らせる。