NHKスペシャル

脳を鍛えて人生を再び ~福岡・高齢者たちの挑戦~

福岡県大川市の社会福祉法人・永寿会で、お年寄りの脳機能が文章の音読や簡単な計算を毎日短時間続けることで回復するケースが報告され注目を集めている。脳科学者、川島隆太氏と共同した取り組みの結果である。
東北大学・加齢医学研究所の川島隆太教授(47歳)は、脳のどの部分にどんな機能があるのかを調べる「脳機能イメージング研究」の日本における第一人者である。川島さんは、長年の研究の成果から、「脳の3割以上を占める「前頭前野」を活性化すれば高齢者のコミュニケーションや生活能力が改善する」という仮説をたて、全国数百の老人施設などで導入している。中でも、5年前に最も早くスタートしたのが永寿会である。現在までにのべ180人以上の高齢者が学習療法を行い、脳機能が改善し、自発性や他者とのコミュニケーションが回復するケースが数多く現われている。「永寿会」の5年間の成果と現在の取り組みを密着取材、学習療法の成果を分析する川島教授の実験・研究とあわせて、脳再生の可能性を探っていく。