NHKスペシャル

第26回 地方の時代映像祭 グランプリ受賞 2006年ABU賞(ニュース番組部門)最優秀賞受賞
アンコール 「ひとり団地の一室で」

千葉県松戸市にある常盤平団地。3年前、その一室で死後3か月経った男性の遺体が見つかった。男性は当時50歳。病気で職を失ったあと家族と別居し、一人で暮らしていた。
いま、全国各地の団地では、誰にも看取られずに亡くなる、いわゆる“孤独死”が相次いでいる。常盤平団地でもこの3年間で21人が孤独死した。その半数が40代、50代そして60代前半までの比較的若い世代の男性だった。社会や家族とのつながりを失った人たちが、老後を迎える前に、亡くなっているのだ。
総世帯数5300戸を抱える常盤平団地は、昭和35年、全国のニュータウンの先駆けとして誕生した。ダイニングキッチンや洋式トイレなど、最新の設備を備えた団地は、当時“夢の住まい”として入居希望者が殺到した。
しかし団地は変貌してしまった。高齢化が進み、住民は年々減少。単身での入居も認められるようになり、独り身の男性などが、数多く移り住むようになった。
長年支え合ってきた古くからの住民は、地域の絆を取り戻し、“孤独死”を防ぐために動き始めた。番組では、団地に去年できた「孤独死予防センター」にカメラを据えて“孤独死”の実情を追い、団地に凝縮された日本の現実を見つめる。

※2005年9月24日に放送した番組です。

  • 亡くなった男性の部屋
  • “孤独死”防止に取り組む住民たち