NHKスペシャル

ロシア・蘇(よみがえ)る大国 ~プーチン流資本主義の行方~

ソビエト連邦崩壊から15年。プーチン大統領の下、ロシアは世界に影響する大国として蘇ろうとしている。「ロシアは二流三流国に転落する危機に瀕している」就任前のプーチン大統領の論文である。連邦崩壊後の急激な市場経済改革はハイパーインフレや、財閥による国家資産の私物化をもたらし、98年には国の財政が破綻した。貧しく疲弊したロシアをプーチン大統領は強く資本主義化した大国として復活させようとした。エネルギー産業など戦略産業での国家管理を強める一方、資本主義に必要な法整備を進め、外資を大胆に導入した。ロシア資本主義はあらゆる面で膨張を続け、今年8月、ロシアは対外債務をすべて返済。外貨準備高は2600億ドルと世界第3位になった。そして海外企業の買収と言う形でロシア資本の進出が始まった。欧米諸国では、膨張するロシアを「新たな脅威」として懸念する声が上がっている。しかしロシア国民、取り分け連邦崩壊後に育った若者たちはプーチン大統領の掲げる「強いロシア」こそが自らの祖国だとして愛国心を強め、支持を強めている。強い資本主義大国を目指すプーチン大統領のロシア。激変するロシアの今を描く。