NHKスペシャル

トヨタ 世界一への条件 ~グローバル企業の苦闘~

日本を代表する巨大企業が“世界一”をつかもうとしている。トヨタ自動車。年間生産台数900万台。米ゼネラルモーターズに肉薄し、自動車メーカートップの座へのカウントダウンが始まった。
トヨタは今、米国、ロシア、タイ、中国など世界各地で生産拠点の拡充を図るなど猛烈なスピードで、規模の拡大を推し進めている。世界一の自動車大国・米国では、これまで米国メーカーの独壇場だったピックアップトラック市場に新型車を投入。テキサス州に最大規模の新工場を立ち上げ、地域に溶け込みながら、新たな成長を目指している。
しかし、急拡大を進める中、課題も浮かび上がってきた。かつてない規模でリコールが発生するなど、“品質第一”を掲げるトヨタは今年大きく揺れた。拡大を続ける中で、どのように品質を保っていくか?この課題をクリアするための取り組みが始まっている。細部に至るまで作業手順を共通化、一定レベルの技術を持つ人材を海外でも育成し、“世界同一品質”を目指す。舞台は、急成長を続けるアジアの戦略拠点・タイ。日本人から技術を学んだ外国人のトヨタマンが、今、国境を超え、アジア各地にトヨタ生産方式の基礎を伝播し始めている。
番組では、現地に溶け込みながら、新たな戦略を展開する米国、そして世界同一品質のための新たな技能伝承を図るタイでの試みに密着。日本メーカーが世界一企業になるための条件を見つめる。