NHKスペシャル

シリーズ 同時3点ドキュメント 第1回 マネー 思惑の激突

2005年の9月から外国為替相場は激しく乱高下をした。9月上旬の総選挙での自民党の予想を越えた圧勝、アメリカへの相次ぐハリケーンの襲来、通貨人民元をめぐる中国政府の意表を突く動きなど、さまざまな出来事が頻発、その度に激しく相場が変動したのである。現在、世界の為替市場で一日に取引される額は、実に1兆9千億ドル。そのうち、実際の貿易に基づく取引は1割もない。残りはヘッジファンドなどが動かす投機マネーである。ニューヨークのヘッジファンド、「通貨の魔術師」の異名を取るジョン・テイラー氏、中国のエリート官僚から華麗な転身を果たした香港のヘッジファンド・張海涛(ちょうかいとう)氏、ふたりのヘッジファンドが巨額の利益を狙って、9月からの為替相場に参戦した。世界のヘッジファンドを迎え撃つのは、日本を代表するメガバンク、東京にあるみずほコーポレート銀行である。みずほのディーラーたちは、投機の嵐が吹き荒れる相場の中で、日本企業の利益を守る戦いに挑んだ。
番組では、巨額の投機マネーを操るニューヨーク、香港のヘッジファンド、それに対峙する日本のメガバンクに密着、うわさ、思惑が飛び交う熾烈な頭脳戦を描く。

  • 一部上場企業の7割を顧客に持つみずほコーポレート銀行 国際為替部
  • 戦略があたり巨額の利益をあげるジョン・テイラー氏
  • 中国のエリート官僚からヘッジファンドへと転身を遂げた張海涛CIO