NHKスペシャル

タクシードライバーは眠れない ~規制緩和・過酷な競争~

「規制緩和」が思わぬ混乱を生み出したタクシー業界。2002年の改正道路運送法の施行で、「新規参入」「増車」「価格」の3つの自由化が図られ、多様なサービスが生まれるはずだった。しかし現実には、激しい安売り戦争と供給過剰が起き、運転手の給与が激減。暮らせなくなった運転手のなかには、繁華街で客引きをする者、家に帰らず空港や駅に寝泊まりする「タクシー・ホームレス」まで現れた。
こうした混乱が特に目立つ「規制緩和の実験場」と呼ばれる大阪。運転手の平均年収は300万円を下回り、少しでも収入を上げようと必死だ。一方近畿運輸局は、運転手たちの長時間労働は何より乗客の安全を脅かす、として監査や是正を求める動きに出ている。
番組では運転手、タクシー会社・当局、3者3様の動きと思惑を追い、規制緩和をもたらした厳しい現実を見ていく。

  • 競争が激化する大阪のタクシー業界では初乗り500円の“ワンコイン戦争”が勃発
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