NHKスペシャル

人類誕生 最古の化石 トゥーマイの物語

現存する、人類のもっとも古い化石は、トゥーマイ猿人と名付けられた、700万年前のものである。2001年にフランス人研究者によって発見され、かつてないほど大きな波紋を呼び起こした。
これまで多くの研究者たちは、チンパンジーと分かれ、ヒトが独自の進化をはじめたのは、化石が集中していたアフリカ東部であると考えていた。この地域だけ乾燥化のため多くの熱帯雨林が早く消滅したことが、「二足歩行するサル」=ヒトの出現につながったのではないかと考えていたのである。
ところが、トゥーマイ化石がみつかった場所は、アフリカ中央部のチャド。そのため、この化石発見を契機に、ヒト誕生のストーリーが大きく練り直されはじめている。その中心が、トゥーマイ化石の発見者ミシェル・ブルネたちのフランス研究グループである。彼らの多角的な研究から、最古のヒト祖先の暮らしぶりが少しずつ浮かび上がってきている。
番組では、フランス研究グループの大胆な推論に基づき、人類最古の祖先の素顔、その生活ぶりを特撮・CGを駆使してリアルに再現していきながら、ヒト起源の謎に迫る。

  • トゥーマイの頭蓋骨
    ©MPFT
  • 発掘調査する古人類学者チーム
    ©MPFT