NHKスペシャル

性犯罪 再犯をどう防ぐか

去年11月起きた「奈良女児誘拐殺害事件」、逮捕された犯人は何度も性犯罪を繰り返していた。なぜ再犯を防ぐことができなかったのか?番組では、奈良事件の犯人が再犯に至るまでの過程を本人や関係者の証言から克明に検証、さらに刑務所での矯正教育の実態や保護観察制度の問題点を明らかにする。
再犯を繰り返す性犯罪者自身、現役の保護司、刑務官の証言から、昔ながらの労役中心の刑務所での矯正教育、ボランティア頼みの保護司など、日本の司法制度では再犯防止に効果が期待できないという実態が浮かび上がってくる。一方、国も再犯防止へ向け制度の見直しを進めている。そのモデルの一つカナダでは司法制度を大転換、人権に配慮しつつ、性犯罪者に対して心理の専門家が再犯のリスクがどの程度あるか?科学的に調べ、そのレベルに応じた教育プログラムや処遇、監視を行うシステムを構築している。再犯を着実に減らしているその仕組みを現地に取材した。
被害が表面化しにくく、深刻でありながら公に議論されることが少なかった性犯罪。日本では性犯罪が5年で倍増、何度も犯行を重ねるケースも多い。どうすれば再犯を防げるのか?多角的な取材を通して考えていく。