NHKスペシャル

英語が会社にやってきた ~ビジネスマンたちの試練~

経済のグローバル化、インターネットの爆発的普及で、英語の世界語化が進んでいる。日本でも外資による提携が日常化し海外とのネットワークで生き残りを図る企業が急増し、英語力は今やビジネスマンにとって不可欠な技能になりつつある。
フランス・ルノーと資本提携した大手自動車メーカー日産では、社内業務の英語化は既に日常、文書も日本語と英語で併記、会議も英語で行われることが珍しくない。この4月に新設されたルノー販売事業室では、主管の蔵隅正明氏(44)と課長の武田和宏氏(41)がチームを組み、この9月発売のルノー車の販売戦略に取組む。蔵隅氏は、アメリカ、ドイツなど10年あまりの赴任を経験した海外畑で、このプロジェクトで急遽呼び戻された。一方武田氏は国内営業一筋でまったく英語には縁のない生活を送ってきており、まさに今回の人事は晴天の霹靂。この経歴、個性の異なる二人のチームが、ルノーの日本法人ルノージャポンと共同で仕事を進める。こちらも今まで日本とは縁がなかったパロタ社長、パスキエ統括マネージャーである。
目下の課題は新車のテレビCMの作成。フランスでの販売実績からの自信で「技術」を強調するフランス側と、日本の消費者の嗜好を考え「イメージ」を重視することを主張する日本側…。果たして結論はどう出るのか?
番組ではこの日産の社内会議に密着。日本人とフランス人、母国語としない同士が英語で意志疎通を図ろうと努力し、日々悪戦苦闘する姿を追う。
また、社歌を英語に翻訳し社員に斉唱を励行、来年度から英語を社内の公用語とすることを打ち出している電子部品メーカーの SMK、単に語学力としての英語力に留まらず、いかに交渉相手から利益を引き出すか、いかに短時間の会議で結果を出すかなど、ビジネスを英語で進める際の技術の習得を目指す研修に力を入れるNECなども取材。
今、日本のビジネスマンに突きつけられた「英語化」の波。英語導入によりコミュニケーションの方法や組織の運営の仕方にまで変革を迫られているビジネスマンの姿を追う。