女子の陸上競技では史上初めての金メダル。女子マラソンの高橋尚子は、２時間２３分１４秒というオリンピック最高記録で夢を掴んだ。
これまでで最も難しいといわれるシドニーのコース。そして、４年に一度のチャンスをものにしようと狙う世界の強豪たち。しかし、高橋はまったく危なげなく、当然のように優勝した。
ゴール後の高橋の表情を海外のメディアは「まるで散歩から帰ってきたようだった」と表現した。
前回のアトランタ五輪の時、高橋はまだマラソンを走った事すら無かった。それから４年。高橋は瞬く間に世界の頂点に登りつめた。「走ることが楽しい」と言う高橋。しかし、マラソンデビューをはたすまでは意外にも、ひ弱でプレッシャーに押し潰されてしまうランナーだった。
番組では、中継カメラ４８台、ENGカメラ８台が記録した膨大なレースのドラマを縦軸に、高橋尚子へレースのＶＴＲを見ながらのロングインタビュー、ライバルたちの証言、そして、人間・高橋を物語るエピソードを織り交ぜていく。
史上初の金メダルという快挙を成し遂げた２８歳、高橋尚子の知られざる素顔、人間像に迫った。