NHKスペシャル

北極圏700キロを歩く ~冒険家 大場満朗と若者たち~

今年4月、世界的な冒険家の大場満郎さん(47)と20代の若者を中心とする男女9名が、カナダ北極圏にある北磁極(ほくじきょく=磁石の針が指し示す真北のこと:地理上の北極点とは異なる)を目指す旅に出た。メンバーは大学生、大学中退者、主婦、サラリーマンなど、これまで冒険とは無縁の生活を送ってきた、まったくの初心者だ。彼らは初めて体験するマイナス20度の寒さの中、35日間をかけて700キロの道のりを走破した。
今回の旅は、大場さんの念願だった。世界で初めて北極海と南極大陸の単独徒歩横断成功という偉業を成し遂げた大場さんは、次の目標として、これまでの数多くの冒険行を通して学んだ、生きることの素晴らしさ、目標を目指し努力することの大切さ、信念を貫く自分に正直な生き方を、自信を持つ事の出来ない若者たちに冒険を通して伝えたいと考えたのだ。
大場さんの呼びかけに集まったメンバーは、ほとんどが自分に自信をつけたいと望む若者たち。将来に不安を抱いたり、何の目標も見つけられない生活を送る中、北磁極への旅という非日常の生活の中で、あらためて自分自身を見詰め直したいと考えていた。 番組では、北極圏での過酷な旅の中で翻弄され、変化してゆく若者たちの姿を追った。