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能登半島地震は海底活断層が動いて津波か 相模湾や全国でもリスク

  • 2024年1月25日

「海底活断層」をご存じでしょうか。文字通り海底にある活断層で、陸地に近いものが動くと、短い時間で津波が沿岸部に到達する恐れがあります。
今回の能登半島地震でも動いた可能性が高いと指摘されている海底活断層。
専門家は各地に存在し、同じようなリスクがあると指摘しています。

1分以内に津波到達か

1月1日午後4時10分ごろに発生した能登半島地震。
午後4時22分には能登地方に大津波警報が発表されました。
北海道から九州にかけての日本海沿岸を中心に津波が観測され、石川県珠洲市では、地震発生からおおむね1分以内に津波が沿岸に到達していたとみられることが専門家の分析でわかっています。

「海底活断層」が動いたか

今回の地震で、国の地震調査委員会は、沿岸の海底の活断層が動いた可能性が高いとしています。

画像提供:東京大学地震研究所 佐竹健治教授

東京大学地震研究所の佐竹健治教授が、各地で観測された津波の波形から、震源域の断層の動きを分析しました。数字で動きを表しています。
黒い点線のある能登半島の北東側の沖合の断層がほとんど動いていなかった一方で、能登半島の沿岸に沿ったエリアと、隣り合う断層がそれぞれ大きく動いていることが分かります。

海底活断層の実態把握は困難

布田川断層帯:熊本県益城町

陸上の活断層では、実地調査や国による危険度の評価が進んでいます。
しかし、海底の活断層については陸上に比べて調査が困難です。
日本海側では国の主導による調査が進められたものの、首都圏を含めて全容は明らかになっていません。

首都圏にも海底活断層のリスク

関東学院大学 福谷陽准教授

津波災害に詳しい関東学院大学の福谷陽准教授は、ほかの研究者と一緒に、地震の5日後から被災地に入って被害を調査しました。

建築学会津波荷重改定小委員会・土木学会海岸工学委員会合同調査チーム

海底活断層は各地にあり、首都圏にも今回の地震と同様のリスクがあると指摘しています。
その場所の1つが神奈川県の相模湾です。

出典:産業技術総合研究所:S-7. 海陸シームレス地質情報集「相模湾沿岸域」(令和3年5月17日出版)
10 万分の1 相模湾沿岸域海底地質図説明書(佐藤智之, 2021)第21図

上の図は3年前に産業技術総合研究所が出した調査結果です。
緑の部分が陸地、紫や赤の実線が海底の活断層を示しています。
沿岸部に近い海域に活断層があることが分かります。

津波の到達早くなるおそれ

福谷准教授は逗子市や鎌倉市に近い海底活断層「逗子沖断層」が動いた場合の、津波のシミュレーションを行いました。

関東学院大学理工学部土木学系 防災水工学研究室作成

赤い場所は1メートルほどの高い津波を示します。
地震発生から3分ほどで、鎌倉市や逗子市に高い波が到達しました。
県の想定する巨大地震で、高い津波が鎌倉市に到達するのは発生から10分後です。
それよりも大幅に早くなる可能性があることが分かりました。

関東学院大学 福谷陽准教授

陸に近い海域の活断層が動くと、強い振動がおそってきます。
数分後に比較的高い津波が来るかもしれません。
津波の到達時間がすごく早くなるので、住民の避難を考えると注目していかなければならないリスクだと考えています。

研究の進展を被害想定検討に

神奈川県庁

神奈川県は来年春をめどに、地震の被害想定の見直し作業を行っています。
海底活断層についても、詳細な実態やリスクに関する研究を注意深く見守り、被害想定の検討に生かしていきたいとしています。

神奈川県危機管理防災課 能戸一憲課長
さまざまな地震を想定していますが、海底の活断層については詳細になっているものが少ないと思います。
今回の能登半島地震を受けて、新たな知見が加わるかも含めて、専門家の意見を聞きながら進めていきたいと思います。

  • 岩本直樹

    横浜放送局 記者

    岩本直樹

    経済、防災などを取材

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