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電動車椅子サッカー 横浜からワールドカップへ挑戦

  • 2023年10月6日

「電動車いすサッカー」をご存じでしょうか。
電動車いすを操って行うサッカーで、パス回しの速さや迫力のあるシュートなどが魅力です。
比較的重い障害があってもプレーできるのも特徴です。
10月、オーストラリアで開催されるワールドカップに、横浜市の男性が日本代表の副キャプテンとして出場します。「競技に救われた」と話す男性の思いを取材しました。

華麗なパス回しに強烈なシュート

電動車いすサッカーは、金属製のバンパーがついた電動車いすで行うサッカーです。
男女混合の4人1組のチームで行います。
スピードは時速10キロ以下と定められています。
素早いパス回しや、車いすを回転して放つ強烈なシュート、時にぶつかり合いながらボールを奪い合う、激しいプレーも魅力です。

重い障害があってもプレーできる

電動車いすにはジョグコントローラーが付いています。
手や顔が少ししか動かせない選手でも、指やあごでコントローラーを操作できる仕組みになっていて、比較的障害が重い人でもプレーできるのが特徴です。
国内の競技人口はおよそ500人です。

W杯ベスト4目指して

10月、オーストラリアのシドニーで、電動車いすのワールドカップが開催されます。
ベスト4を目指す日本代表は、9月に都内で合宿を開いて、チームプレーや戦術などを確認しました。

三上勇輝選手

日本代表の副キャプテンを務める、横浜市の三上勇輝選手です。フィールド全体をよく見て的確に指示を出す、司令塔の役割を担っています。

三上選手
電動車いすサッカーは、性別関係なく、幅広い年代で楽しめます。誰でも世界を目指して戦える競技だと思っています。世界の場で日の丸を背負って戦えるのがすごく楽しみです。

「人生を変えてくれた」

三上さんはふだん、医療機器メーカーの人事の仕事をしています。
「脳性まひ」で幼稚園の頃から車いすを使った生活の三上さん。
通っていた地域の小学校ではいじめを受けていたこともあったといいます。

三上さん
暴言をはかれたり、いきなり後ろから蹴られたこともありました。当時は「どうしてこんなことをされなきゃいけないんだ」という思いがありましたし、学校に行きたくないと思っていました。つらかったです。

小学校時代の三上さん

三上さんを救ったのが電動車いすサッカーでした。
小学3年生の時に両親に体験教室に連れて行ってもらったことがきっかけで、のめり込んでいきました。
仲間も増え、前向きになったといいます。

三上さん
学生生活ではできない経験ができて、自分に自信がついたし、学校生活以外で自分を認めてくれる人がいるというのが助けになりました。かけがえのないきっかけをくれたのは電動車いすサッカーだと思っています。

後輩に伝えたい

三上さんは、自分の人生を変えてくれた競技の魅力を後輩たちにも伝えていきたいと考えています。
所属する横浜市のチームでは、誰よりも声を出してチームメートを励まします。

チームメート
流れを変えたり、積極的に自分から声を出してチームを鼓舞したりするのがすごく得意で、ずっと憧れの選手です。三上さんを追いかけてサッカーをやってきたので、いつかは三上さんみたいな選手になりたいと思って日々練習しています。

前回W杯の雪辱を

前回W杯/写真提供:日本電動車椅子サッカー協会

前回・6年前のワールドカップにも出場した三上さん。
チームは10チーム5位と、目標のベスト4には届きませんでした。
雪辱を果たすため、三上さんは司令塔としての能力に磨きをかけてきました。

選手配置や戦略も

日本代表チームの合宿では、練習試合前に選手の配置や戦略をみずから細かく決めます。
日本各地からの選抜チームとの練習試合では、戦略やチームプレーを入念に確認していました。

三上さん
ワールドカップで結果を出して、みんなにこの競技はすごいんだと認識してもらい、魅力も知ってもらって、少しでも興味を持ってもらえたらいいなと思います。みんなの思いや応援してくれる人の思いを持って、チャレンジを続けていきたいと思います。

初戦は15日 世界一のフランスと

日本代表の初戦は10月15日、相手は世界ランキング1位のフランスです。
目標のベスト4に向けて大事な試合。
三上さんたち日本代表チームを応援したいと思います。

  • 高橋哉至

    横浜放送局 厚木支局記者

    高橋哉至

    平成30年(中途採用で)入局。 初任地は宇都宮。厚木支局で 地域の課題やスポーツ関連の話題を取材。

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