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Bリーグチャンピオンシップ “神奈川ダービー” 見どころは?

  • 2023年05月12日

男子プロバスケットボールリーグ・Bリーグ、その優勝を争うプレーオフ、チャンピオンシップがいよいよ始まります。神奈川県からは「川崎ブレイブサンダース」、「横浜ビー・コルセアーズ」がチャンピオンシップに進出し、なんと両者はチャンピオンシップ準々決勝で激突します。“神奈川ダービー”を前にNHKバスケットボール解説者・倉石平さんに見どころをお聞きしました。

 ※5/14(日)の第2戦は倉石平さんをゲストにお招きし、NHK横浜放送局の1Fアトリウムで15:40からパブリックビューイングイベントを開催します。

Bリーグチャンピオンシップ 
Bリーグは、B1、B2、B3の3部で構成。上位カテゴリーのB1の優勝をかけたプレーオフ。B1は全24チーム、8チームごとの3地区にわけられていて、3つの地区の上位2チームなど、8つのチームがトーナメント方式で優勝を争う。

「川崎」「横浜」それぞれの特徴は?

まずは、40勝20敗でレギュラーシーズン中地区優勝、チャンピオンシップには6年連続6回目の出場となる川崎ブレイブサンダース。シーズンの対横浜は3勝1敗と勝ち越しています。

倉石さん

日本代表経験のあるファジーカス選手、藤井選手、篠山選手らベテランがチームの中心です。
今シーズンけが人も多く苦しみながらシーズンを戦ったと思います。
安定感のあるベテラン中心のチームである一方で、若手の活躍がこのチームには必要不可欠となりつつあると考えています。ベテランと若手が交代し、若手がコートに出ているとき、その時間に注視しています。河村選手などの横浜の看板となるプレーヤーに対して、イーブンの戦い、もしくは両チームがリズムを作れない重苦しい状態を作る、または、逆にリードする状態ができると、このCSで大きく飛躍、チャンピオンに近づくのではないかと思います。

そして横浜ビー・コルセアーズ、今シーズン一気に日本中の注目を集めている、河村選手を中心に若手選手が躍動、33勝27敗の中地区2位で初めてのチャンピオンシップ出場です。

横浜の躍進はなんといっても、河村選手の覚醒です。
本来ボールキープそしてチャンスメイクには定評があり、若くして誰もが期待するほどでした。しかしトム・ホーバスジャパンに招集され、”得点をとれない、シュートに意識のないものは去れ”くらいのことを指摘され、3Pシュートをはじめとする得点力を大きく開花させたのです。 得点はなりを潜めていたところが、自分で点数をとりにいって、3Pシュートの回数も増やし、得点を伸ばしました。そこから横浜はどんどん勝っていけるようになっています。
 河村選手の存在は、周りに大きな影響を与え、勝つ意識を植え付けました。
 (※河村選手の昨シーズンの平均得点は10.0点、今シーズンは19.5点)

試合の注目ポイントは?

経験豊富な安定度の高い川崎、それに対して若手で荒削りではあるが勢いがある横浜という図式になるかと思っています。どちらもチャレンジャーという意識で受けに回らないことが大切だと思います。 そして、注目は「ポイントガード対決」、「川崎のニック・ファジーカス選手のマッチアップ」です。

司令塔となるポイントガード対決

川崎はポイントガードに藤井選手、篠山選手、といった経験豊富なベテランを擁しています、それに横浜のポイントガードの河村選手や森井選手がどう戦っていくのか。
川崎の藤井選手と横浜の河村選手の戦いは、どちらも日本代表の候補になる選手ですので間違いなく注目です。
 河村選手が負傷しているかもしれないとも言われているので、試合に出場できるのかわからない部分はありますが、河村選手の活躍がこのゲームに大きく影響すると考えています。 川崎は効率よく点を重ねていけるか、横浜は川崎のベテラン勢をかきみだして走らせることができるかが重要で、横浜はどんどん早い展開で川崎の体力を削っていきたいのではないかと思います。

ニック・ファジーカス選手へのマッチアップ

ファジーカス選手は、走るプレーは苦手だと思いますが、シュートに関しては日本でトップランク、そして安定度抜群です。身長は207cmあります。彼が得点を伸ばして目立だっていると川崎が有利な展開になると思います。
そこで、横浜はだれがファジーカス選手にマッチアップするのかがひとつ注目です。 ファジーカス選手は帰化選手。Bリーグには外国籍選手の規制があるため、横浜にとってはマッチアップが難解となるのです。ファジーカス選手に横浜の外国籍選手がマッチアップすると、川崎の外国籍選手に、横浜は日本人選手がマッチアップをせざるを得なくなります。

※Bリーグのオンザコートルール 
各チーム同時にコート上に出場できるのは、外国籍選手は2人まで、帰化選手またはアジア特別枠選手は1人まで。

短期決戦のチャンピオンシップ、レギュラーシーズンとの違いは?

レギュラーシーズンとは全く別物です。 短期決戦ではチームとしては、まず一番に自分たちがどういった戦い方をしたいかそれぞれストーリーを作ってきます。 
1日目はその戦術・戦略のぶつかり合い。「こういう戦い方をするんだ」と相手の出方を読みながら、レギュラーシーズンの成果を鑑みた戦い、両チームの頭脳の戦いとなります。 
2日目は、1ゲーム目を鑑みた戦術戦略の再調整、コーチの腕の見せ所になります。 
1勝1敗で、3日目までもつれたときは、すでに2日連続で試合をして、お互いの戦い方が丸裸になっているので、戦術戦略といったチームとしての戦いに関しては相当難しい状態となり、個々人の技量が露呈してくる時間帯となります。体力や集中力といった部分、そして結束力、最後にはどれだけしつこく諦めないかといった執念が勝負を分けるかもしれません。個々人のインナーゲームも影響します。

バスケットボールはチームや選手のさまざまなスタッツ(統計データ)が記録されますが、 データの注目点についてもお聞きしました。

再現性が高いスポーツと言われていて、データはとても大切です。 どういうことかというと、例えば、「残り4秒になった時には、その選手はどういう選択をするのか、この選手はこのように、あの選手はこう選択をするだろう」というところまでデータからわかります。
もちろん、両チームそういうことも分析してわかっているので、お互いにその表と裏をやっているのです。統計の問題がそのまま表現されるのがバスケットボールなので、データはとても大切なのです。

まずは「41.5」に注目

まずはシュート成功率(FG)の%に注目してみるといいと思います。
バスケットボールには3Pシュート、2Pシュートがあるので、成功率が3Pだと30%、2Pだと45%、これが基準値になってきて、全部合わせてのシュート成功率として「41.5%」がだいたいの基準になると思います。
シュートの成功率がこれを超えるか下回るかが勝敗に関わってくる一つのポイントです。 そして、「41.5%」だと約60%のシュートが落ちることになるので、そのリバウンドを捕れるかどうか、落ちたシュートを確保できた方が、次のシュートのチャンスを得られることになるので、リバウンドの本数に注目するとチャンスの回数も見えていきます。
このように41.5という数字から試合全体を見ていくこともできます。 

まだ初心者の方は数字を見ていくのは難しいかもしれませんので、いまどちらに勢いがあり、どっちに流れがあるのかな?といった目線で試合を楽しむのもよいと思います。

“神奈川ダービー”を中継、第2戦はパブリックビューイング

NHKでは“神奈川ダービー”を含めチャンピオンシップを以下の日程で放送します。

そして5/14(日)の第2戦はNHK横浜放送局でパブリックビューイングイベントを行います。 開場15:00 開演15:40 ぜひ当日会場にお越しください。詳しくはこちら

神奈川の熱いバスケをお見逃しなく!!

  • 髙見彰良  

    NHK横浜放送局 経営管理企画センター

    髙見彰良  

    2014年入局。2020年から横浜放送局勤務。2021年5月からはデジタルを中心に地域の課題や魅力の発信に取り組む。

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