Jリーグ30周年企画・第2弾は社会連携活動、通称“シャレン”です。それぞれのチームはプレーだけではなく、社会の課題解決に取り組む活動を進めてきました。神奈川県にある6チームの社会連携の取り組みをお伝えします。今回は、湘南ベルマーレです。
神奈川県の湘南地域や県西地域などのあわせて9市11町をホームタウンとする湘南ベルマーレ。
「フットサルリボン」という活動を通じて、小児がんに苦しむ子どもたちを支援してきました。
活動の中心は、フットサルクラブに所属していた久光重貴選手(ひさみつ・しげたか)です。
2013年に肺腺がんと診断され、治療を続けながら現役選手としてプレーを続けてきました。
「現役選手として復帰できたのは、サッカーやフットサルというスポーツに携わる沢山の選手、スタッフ、サポーター、ファンの多くの支えがあったから」
ベルマーレによりますと、久光さんは、このような思いを持っていたということです。
こうした思いを自分だけで終わらせず、「子どもたちのために何かできないか」と考えた久光さんは、フットサルリボンの活動を始めました。
がんの啓発や小児がんの子どもたちの支援を続けてきた久光選手は2020年に亡くなりましたが、活動は弟の久光邦明さんに引き継がれました。
久光選手の思いを継承するため、湘南ベルマーレは、2019年から「TEAMMATES」活動に参加してきました。
これはNPO法人「Being ALIVE Japan」が行っているものです。
小児がんなど長期的な治療が必要な子どもたちに、治療に寄り添う仲間を作ってもらい、コミュニティーの中で成長してもらおうと、サッカーやバスケットボールなどさまざまなスポーツのチーム(プロ・アマ問わず)に参加する活動です。
ベルマーレではサッカーのチームでこれまでにあわせて4人を受け入れ、ことし新たに1人を受け入れることになったということです。
さらに、取り組みの輪を広げるため、2021年から「ヒサと共に。」という活動を始めました。
「ヒサと共に。」の主な活動
・ホームゲーム会場でチャリティサッカー教室や募金を行う
・自治体や企業と連携して街の観光名所などをライトアップし、支援を募る活動
このほかにも、湘南ベルマーレが取り組んできたシャレンの活動について話を聞いてきました。
そのうち、主なものをご紹介します。
・地域の小学校を訪れて体を動かす楽しさを教える体育授業
・地域の企業と連携し、子どもが魅力ある仕事に触れるローカルキャリア教育
・海岸やスタジアム周辺のゴミ拾い活動
湘南ベルマーレ社会連携部 風村ひかるさん
「山、川、海と、自然豊かなホームタウンです。そのような財産を子どもたちにも残していけるような循環型社会の推進や、クラブスローガンである『たのしめてるか。』を、だれもがそれぞれのステージで体現できるような共生社会づくりに貢献できるような活動をしていきたいと思っています」