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神奈川県知事選挙 候補者インタビュー 主張は政策は

  • 2023年04月05日

神奈川県知事選挙は、4期目を目指す現職に、新人3人が挑む構図です。
候補者の選挙運動を取材するとともに、本人にインタビュー。主張や政策を聞きました。

神奈川県知事選挙に立候補しているのは、届け出順に

▼無所属の新人で、共産党が推薦する市民団体代表の岸牧子氏(66)。
▼無所属の新人で、医師の加藤健一郎氏(73)。
▼4期目を目指す無所属の現職で、自民党、公明党、国民民主党のいずれも県組織が推薦する黒岩祐治氏(68)。
▼新人で、政治家女子48党の党首、大津綾香氏(30)の4人です。

それぞれの選挙戦を取材しました。

岸氏 市民運動の仲間が支援

新人で市民団体代表の岸牧子さんは、前回に続き2回目の挑戦です。再生可能エネルギーの活用や、省エネによる持続可能な循環型社会の実現を訴えています。共産党の推薦を受けています。横浜市内の街頭演説には、市民運動に取り組む仲間が駆けつけました。
神奈川県は教育や医療の支援が全国最低クラスだとして、学校給食の無償化や、子どもの医療費の負担軽減を進めるとしています。

岸氏インタビュー

最も訴えたいことは何ですか?

岸氏

再生エネルギー100%というのを訴えたいです。ただ気候危機を乗り越えて、エネルギーをシフトするだけの問題ではなくて、一部の権力が握っていたエネルギーをその土地の人たちに取り戻す。自分たちが主人公になるような働き方を実現し、雇用が増えて豊かな地域を作っていくことにもつながるので、やっぱり再生エネルギー100%ということを、一番軸に訴えたいです。人権のことも、貧困の格差も、平和のこともエネルギーのことも、全部含んでいるのがこの再エネ100%の政策だと思っています。
賃金が上がらない中で、暮らしがすごく大変なので、働く人たちの賃金をしっかりさせていくことが、社会保障と同時にものすごく欠かせないことだなと思っています。

どのように選挙を戦いますか?

岸氏

特に気候危機のところや平和のところでは、若い方々で、潜在的にすごく懸念や不安を持ってる人が多いと思うんです。このまま気候危機で自分の将来ってあるのかなとか、希望を持てるのかなとか、戦争が起こったりしないかなとかね。そういう人たちのところに本当に届いて、「そうじゃない政治を作ることができるよ」とか、「一緒にやろう」っていうことが、届くような選挙にしていきたいなと思います。
あなたと同じように不安に思ってる人はものすごくたくさんいて、仲間が大勢いること。集まったら選挙で変えていけるっていうことも伝えられて、一緒に立ち上がれるようになったらいいなって。特別な人じゃなくて、私たちが主人公になって、変えていける時代がきています。小さな声がいっぱい広がってくるような選挙をしたいなと思っています。

前回の選挙との違いは?

岸氏

前回は憲法を前面に出して戦ったんですけど、その時よりも状況は深刻です。アメリカの指揮下でいつ先制攻撃するか分からないような状況が起こっています。戦争か平和かの問題も、気候危機も。暮らしについても、コロナがありましたから。コロナでものすごく苦しんだ、お店畳まなきゃいけないとかそういう人たちが、さらに今物価高騰と光熱費の高騰で苦しんでいますよね。前回に比べたらずっと状況が厳しい中での選挙だなと考えています。だからこそ神奈川から知事がかわって、いつかは政権交代できるようにと思います。

加藤氏 危機管理の強化を

新人で医師の加藤健一郎さんは、災害や有事に備えて、危機管理の強化を訴えています。政見放送などで主張を伝えていきたいとしています。立候補届け出直後に行った訴えです。

加藤氏の訴え

加藤氏

知事直属の危機管理センターを県庁の中に是非作りたいと考えて立候補しました。ミサイルが飛んでくるかもしれないという可能性はゼロではないので、そういうときのためにも地下シェルターを、神奈川県としては造った方が良いのではないか。
カジノのあるホテルを増やしたい。これからはAIとロボットの時代が来るので、もの作りだけでは日本人は食べていけないのではないか。カジノホテルで生きていく人もかなり増えてくるのではないかなと思っている。カジノホテルのようなもので、人間と人間が直接ふれあいながら、生きていける場所を作ってもいいのではないかと思っている。

黒岩氏 与野党の県組織が推薦

4期目を目指す現職の黒岩祐治さんは、自民党県連、公明党県本部、国民民主党県連が推薦しています。この3年間、新型コロナウイルス対策に全力を挙げ、医療を守ってきたと訴えました。
LINEやAIを使って、患者の自宅療養をサポートした経験を生かし、子育て支援や防災にもデジタルの活用を進めたいとしています。横須賀市の商店街を歩き、写真撮影に応じました。

黒岩氏インタビュー

最も訴えたいことは何ですか?

黒岩氏

原油高・物価高もあるし、生活に対する不安もあるし、ウクライナの現状を見て、安全保障面の不安もあります。どうやって解決するかといった時に、デジタルの力が大きな支えになるんですよというメッセージをお届けしたいと思っています。
デジタルって言葉を使うときに、難しいんじゃないかなというためらいもありました。しかし「LINE新型コロナ対策パーソナルサポート」を使って、コロナ対策でお1人お1人に情報が届いていくという、そういうサポートがデジタルだからこそできたということがありました。デジタルを活用しながら、皆さんの不安に寄り添って、1人1人の不安を解決することによって優しい社会をつくっていくと、こういうメッセージをしっかりと訴えていきたいと思っています。

デジタルで優しい社会をつくるとは?

黒岩氏

いまは隣の人が誰なのかよく分からない、絆が薄くなっている時代だと思います。その部分を新しい最先端のテクノロジーが補ってくれる。困ったことがあったら、デジタルの力で教えてくれる。デジタルを使った形の新たなコミュニティで、やさしい社会ができるんですよということですね。
災害のときにも、例えば台風が近づいてきたときに「あなたは、いつどのタイミングでどこへ避難すればいい」ということを、こちらからお1人お1人に伝えていく。そういったことができるのもデジタルの力ですよね。できるだけ具体的にわかりやすい形で、訴えていきたいと思っています。

これからの4年でめざす県の姿は?

黒岩氏

「神奈川のコロナに対する対策は、全国をリードしましたね」ということを、多くの医療関係者から言って頂きました。それは大変誇らしいことだと思います。これからの4年間でまた新たな神奈川が国の政策をリードする、そんな形を作っていきたいと思います。
まさにデジタルを使った優しい社会を作ると、このモデルをぜひ作っていきたいと思っています。

大津氏 SNSなどで訴え

新人で政治家女子48党の党首、大津綾香さんは、SNSなどを使って女性や若者の政治への関心を高めていきたいと訴えています。

大津氏インタビュー

最も訴えたいことは何ですか?

大津氏

若い方に興味を持って立候補してもらうこと、政治のことまず話題にしてもらうことを、私たちはやるべきだなと思っています。私はNHKの「週刊こどもニュース」に出ていたので、政治のことを学んだり考えたり、意見を言ったりすることができたんですよね。こんなふざけた「政治家女子48党」という名前だけでもみんな調べてくれたらと思っています。
60代70代の方が今回も神奈川県知事選挙に出ていますよね。それでいいのかなって思います。若い女性にだってやっぱりチャンスがほしいし、若い方にもっと関心をもってもらって、訴えかけていけるように。私たちがいろいろな角度から取り組んでいきたいです。

どんな方法で支持を訴えますか?

大津氏

YouTube番組を政治家女子48党でも始めました。どんなことに困っているのかなど、みんなで語っていこうと。今取り組んでいて試行錯誤しています。SNS発信で訴えていかないと、NHK党のファンの方はほとんどネットファンの方が多いので。ちゃんと調べていただける方とか、若い方に届くように私たちは頑張っています。
オンライン化への理解も進めるべきだと思います。若い方もそれでどんどん働きやすくなると思います。

どんな活動をしていますか?

大津氏

私たちは若い方だけじゃなくて、政治に参加する女性を増やすことによって、どんどん届けていかなければいけないなと思っています。女子会みたいにして公約を作り上げて、楽しく政治の話題を若い方に届けられればと試行錯誤しています。

最終日の訴えも取材

最終日の訴えも取材しました。WEB記事もあわせてごらんください。
投開票日の1日の動きはタイムラインでお伝えしています。

投票は4月9日

神奈川県知事選挙は4月9日に投票が行われ即日開票されます。
相模原市長選挙、県議会議員選挙、横浜・川崎・相模原の市議会議員選挙の投票日も同じく9日です。

選挙の情報は特設サイトでも

NHK横浜放送局では、統一地方選挙の情報をホームページの「かながわ情報羅針盤」や特設サイトでも発信しています。
各候補者の訴えのほか、選挙の仕組みなどさまざまな情報を随時アップしていきます。
ぜひご覧下さい。

  • 古賀さくら

    横浜放送局 記者

    古賀さくら

    横浜局、前橋局を経て、現在は横浜局で主に県政を担当。 新型コロナウイルスへの対策をはじめ、医療や介護福祉分野を精力的に取材。

  • 齋藤怜

    横浜放送局 記者

    齋藤怜

    2016年入局。初任地の水戸局では災害・原発担当。 2021年11月からは横浜局で県警担当。防災分野の取材も進める。

  • 北村基

    横浜放送局 小田原支局記者

    北村基

    2017年入局。宇都宮局を経て、2022年8月から横浜局小田原支局。南関東の空気に馴染むべく、目下、歴史を勉強中です。

  • 尾原悠介

    横浜放送局 記者

    尾原悠介

    2018年入局。大阪府警担当を経て、2021年11月から横浜放送局で事件・事故を中心に取材。趣味はサッカー

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