昔から「しし鍋」が有名で、いわゆる「ジビエ」が食べられてきた神奈川県伊勢原市。
今、ジビエ料理を通して人を集め、地域を盛り上げようという動きが広がっています。
取材:佐々木美佳キャスター
丹沢山地、大山のふもとに広がる神奈川県伊勢原市。いのししを使った「しし鍋」が名物です。
しし鍋を食べたお客さん
獣くさいのかなと思っていたけど全然そんなことなくておいしいです!
古くから食べられてきたジビエ料理を町おこしに生かそうと、地元の宿坊や飲食店などが初めて「ジビエフェア」を開催しています。17の店舗が参加しています。
このフェアのために新しいメニュー開発に知恵を絞っているお店を訪ねました。
おすすめは「しか肉を使ったミートソース」だそうです。
お味はいかがでしょうか? いただきます!!
佐々木美佳キャスター
お肉の食感がしっかりしているので、そこから、うまみと甘みがじゅわっと広がります。すごく食べやすくておいしいです!
メニューを考えたのは、おかみの武田由加里さんです。
若い人にも食べやすい、ということを意識して、フェアの1年以上前から準備してきました。
今はいのししを使った「シチュー」に取り組んでいます。
おかみ 武田由加里さん
いのしし肉、もっと大きい方がいいかな?
若おかみ 武田有希さん
そうですね、大きい方がお肉が分かりますよね。
ジビエ料理をきっかけに、多くの人に伊勢原を訪れてもらいたいと考えています。
おかみ 武田由加里さん
若い方にも食べる機会を持ってもらいたいです。大山に来られて、「帰りにカフェで、しか食べて来たのよ」「いのしし食べて来たのよ」って言って下さったらいいかなと思います。
フェアで使われるジビエを提供しているのは、地元の猟友会です。およそ20人が所属していて、最近は伊勢原市以外から参加する若い人も増えているといいます。
猟をはじめて3か月ほどの関弘太郎さんは平塚市から通っています。
関弘太郎さん
ベテランの方が多いですし人数も多いので、しっかりとした山の歩き方とか、立ち方とかをご指導いただけるところが魅力的だと思います。
この日は、猟友会の代表で60年の大ベテラン・磯崎敬三さんに、しかの通り道を教えてもらいました。
残念ながらこの日は、関さんのもとに獲物が姿を現すことはありませんでした。
関弘太郎さん
気配も感じられなかったのは残念です。今期中に1頭は、しとめたいです。
地元猟友会によってしとめられた獲物は、山の中に設置した専用の施設ですぐに処理され、新鮮な状態で地元の店舗に届けられています。
猟友会 代表・磯崎敬三さん
ジビエ料理で使っていただくのが一番よかったなと思います。若い人たちは何人かいらっしゃいますので、わたしたちの年くらいまで元気でがんばってやってくれたら、ありがたいなと思います。
ジビエによってつながる、人の輪。
伊勢原市では、ジビエ料理が地域を盛り上げるだけでなく、最近増えている、しかやいのししによる農業被害を減らすことにもつながればと期待しています。
伊勢原市大山地区の、大山猪鹿(ジビエ)フェアは3月末まで開催されています。お店によっては事前に予約が必要なので、お出かけ前にご確認下さい!!