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小さく産まれた命を知って 早産児の写真展

  • 2022年11月18日

11月17日は「世界早産児デー」です。これにあわせて、横浜市の神奈川県立こども医療センターで、早産児の成長した姿を紹介する写真展が開かれました。自分が産まれた時の写真を出展した女性や、写真展を企画した看護師に思いを聞きました。

笑顔の写真を見てほしい

写真展が開かれたのは、神奈川県立こども医療センターです。
病院の渡り廊下に、早産児13人の小さい頃や成長した姿の写真、あわせて25枚が展示されました。

早産児
在胎週数37週未満で産まれた子どものこと
神奈川県によると、2020年に県内で産まれた子どものうち、約9%が2500グラム未満の低体重だったとされる。

来年小学生になるという男の子の誕生日を祝う写真には、「小学生になって新しい環境を楽しんでほしい」という保護者からのメッセージも添えられていました。

産まれたあと病院で治療を受けていた女の子が、成長して笑顔で遊んでいる写真。
家族からは、産まれた当初不安に思ったことや、その後の成長に感謝するメッセージが寄せられていました。 

「助けて」が言えるように

鈴鹿典子さん

大阪府に住む鈴鹿典子さんです。
早産児のことを一人でも多くの人に知って欲しいと、自分が産まれた時の写真を出展しました。

左:産まれたばかりの鈴鹿さん

産まれたときの体重は1900グラム台でした。
右目の視力が低く、熱を出しやすい子どもだったといいます。
学校生活の中では、体育の時間など参加できないこともありましたが、周囲の友達や先生に助けられて過ごしました。
心ないことばに傷つくこともあったといいます。

鈴鹿さん
『何かあると困るから行事に参加しないでほしい』と言われたこともありました。早産児のことがもっと知られて、助けを必要としている人が、何に困っているのか言葉にしやすいような環境が必要だと思いました。

早産児のことを知って

齋藤香織さん

写真展を企画したNICUの看護師、齋藤香織さんです。
神奈川県立こども医療センターには、年間およそ200人の早産児が入院するといいます。
まずは早産児のことを多くの人に知って欲しいといいます。

齋藤香織さん
集中治療室で治療を受けていたり、笑顔で笑っていたり、お子さんの頑張りを見てもらいたいと思います。
お子さんが発達のなかでいろいろと難しさを持ちながら大きくなっていくことや、大きくなっても医療の手助けが必要な人もたくさんいることも知ってもらいたいです。

出展された写真は11月末まで、県のホームページで公開されます。
https://www.pref.kanagawa.jp/docs/cz6/lbh/phots.html

取材を終えて

今回の取材を始めたのは、鈴鹿さんからNHKに写真展を案内するメールを頂いたのがきっかけでした。早産児についてはほとんど知識がありませんでしたが、鈴鹿さんや齋藤さんからお話を伺う中で、大人になっても人によって体に影響が出ることを知りました。
サポートが必要な人が、声を出して助けを求めやすい社会を作っていきたいと感じました。

  • 小林奈央

    横浜放送局 記者

    小林奈央

    2022年入局。事件や事故の現場取材に駆け回っています。幅広いテーマを取材したいです。

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