関東甲信地方は、6月6日に梅雨入り。
雨の日が続くと、出かけるのもおっくうに感じてしまう人もいるのではないでしょうか?神奈川県西部の小田原市で、梅雨の今ならではの「楽しみ」をみつけました。
梅雨の時期、小田原城址公園を彩るのは、りんとした姿の「花しょうぶ」と、梅雨の代表的な花「あじさい」です。
花しょうぶはおよそ1万個の鉢、あじさいはおよそ2500株が公園を彩ります。ちょうど同じ時期に見ごろを迎えるため、このコラボレーションを楽しみに訪れる人も多いといいます。
実はこの花しょうぶ、ボランティアの人たちによって育てられています。
およそ20年にわたって花しょうぶの世話を続けている丸山佐智子さんです。
ボランティア 丸山佐智子さん
「『よく咲きなさいよ』『きれいに咲きなさいよ』って思いながら育てています。見た人が、きれいだねって言ってくださればそれで満足です」
花しょうぶを知り尽くす丸山さんに、今年の見どころを伺うと…
黄色の花しょうぶです。黄色は珍しいんですよ。去年は咲かなくて。
今年久しぶりに咲きました。
小田原城花育成ボランティア会長の清沢将俊さんです。
小田原城花育成ボランティア 会長 清沢将俊さん
「お客さんが感嘆してくれるのを見たり、話を聞いたりするのが一番うれしいです。
見ばえもしますので、それを見にいらしていただけたら嬉しいです」
あじさい・花しょうぶの見ごろは、今月(6月)中旬ごろまでだということです。
(※天気によって変動します)
続いて紹介するのは、あじさいの形をした、和菓子のような食べ物…。
正体は「かまぼこ」。期間限定で販売されています。
このかまぼこは機械生産ができないため、職人がひとつひとつ手作業で作り上げています。
食べてみると…
おいしいです。魚のうまみがしっかりしていて、サイコロ状になっているのがコロコロしていて口の中で踊っている感じで楽しいです
かまぼこ製造会社 熊英治さん
「小田原といえば、かまぼこです。そのかまぼこで、日本の四季折々に合わせて商品を作っています。この時期はあじさいで表現しています。」
手間暇のかかる「あじさいのかまぼこ」。梅雨を少しでも楽しんでほしいという、職人の思いが詰まった一品です。
梅雨ならではの楽しみ、最後は「梅」です。
小田原は、江戸時代の書物にも産地として登場するなど古くから梅の栽培が盛んな土地です。
しかし、農家の高齢化などにより、現在は梅農家が減少傾向にあるそうです。
こうしたなか、地元のNPO法人は、梅の魅力を知ってほしいと梅の収穫体験を行っていました。
収穫体験をしたみなさんに、感想を聞いてみました。
楽しいです。脚立にのぼったりしてとるのが、猿になった気分です
梅シロップを作って、かき氷を楽しみたいです
この収穫体験を企画しているNPO法人の小野まゆみさんは、小田原の梅の魅力をもっと広めていきたいと話します。
NPO法人小田原食とみどり 小野まゆみさん
「小田原の梅はハリがよくて、この地域じゃないとうまく育たないものもあったりして、すごく品質が良いと思います。梅を栽培する農家になりたいという方もいっぱい増えるといいなという気持ちです。小田原の梅をもっと広めていきたいです」
梅雨の時期ならではの食べ物や、雨の中でも一瞬で心を明るくする花々。
小田原には、梅雨どきの楽しみがたくさんありました。