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“赤ちゃん食堂”でコロナ禍の母親たちにつながりの場を 寒川町

  • 2022年04月28日

4月20日、神奈川県寒川町で全国でも珍しいといわれる “赤ちゃん食堂”の取り組みが始まりました。子どもたちに食事や安心して過ごせる居場所などを提供する「こども食堂」が全国に広がっていますが、“赤ちゃん食堂”とはどんなものなのか、コロナ禍の中で赤ちゃんを育てるお母さんたちのつながりの場をめざすという取り組みを取材しました。

“赤ちゃん食堂”とは

開催されたのは神奈川県寒川町。ふだんは民間の産後ケア施設に、6組の親子が集まってきました。事前の予約制です。離乳食期の赤ちゃんに、地元野菜の手作り離乳食が無料で提供されます。利用できる対象は離乳食期の赤ちゃん連れの家族です。

施設のキッチンで、ボランティアスタッフが手作りする離乳食は、赤ちゃんの成長に合わせ、ごはんのやわらかさなど、一つずつ調整します。また、赤ちゃんの母親たちには、栄養バランスを考えたメニューを、400円で提供します。

コロナ禍で人とのつながりが希薄になりがちな中で、利用したある母親は次のように語ります。おととし長男を出産しましたが様々な不安を抱えたまま、育児を続けてきたと言います。
 

アットホームで、同じぐらいのお友達と、もっとちっちゃい子もいらっしゃって、なかなかこういう場って行けなかったので、すごい今日は楽しいです。(笑)

食堂では母親たちの育児の悩みの会話も聞かれました。

離乳食がそんな、大量に食べなくてどうしようかなと思ってたけど…

コロナ禍の母親たちにつながりを

“赤ちゃん食堂”を企画したのは、助産師の菊地愛美さん(35)です。これまで400件以上のお産に立ち会ってきました。
始めたきっかけは、コロナ禍の中で母親たちの孤立感が強まっていると感じていたからです。

菊地愛美さん
「お母さんと赤ちゃん、やっぱりコロナで追い込まれているんです。育児不安が強すぎてトイレも行けないし、もう一日30分しか寝ていないというお母さんが実際にいて、産後うつのようなお母さんもすごく増えてきていると実感しているんです。コロナの状況の中で、もう待ったなしなんですよね。」

菊地さんは、産後ケア施設を開設するとともに、そのスタッフと一緒にその施設で無料の“赤ちゃん食堂”を開催することにしたのです。
赤ちゃんへの食事の提供の他、母親たちが自由に交流できるスペースや、地域の人たちから寄せられた服のリユース会なども“赤ちゃん食堂”に合わせて準備をして、母親たちがより交流しやすいような場を設定します。運営にはクラウドファンディングで集まった資金なども活用しました。

地域で広がる支援の輪

菊地さんの取り組みに、地域からの支援の輪が広がっています。寒川町内で農業を営む関口三男さんは“赤ちゃん食堂”に無料で野菜を提供しています。この日は新タマネギ。「新タマネギは火を通すとすごく甘いので赤ちゃんも食べると思います。離乳食に使いましょう。」と、菊地さん。母親たちにはサラダとして提供する予定です。

農家 関口三男さん
「やっぱりね、うちも4人の子どもを育てたけど、ママさんたちはコロナ禍の中で、苦労されていると思うからさ、なんとかしてあげたいなと。私はおいしい野菜しか作れないので、その野菜の力でね、元気になってもらいたいなあと思ったの。」

支援とつながりを広げたい

菊地愛美さんは初めての開催と今後の期待を次のように語ります。

菊地愛美さん
「お母さんたちの、いまの育児の様子を聞くと、やっぱりこういう場所が欲しいって言ってくださって、求めていたんだなって思うと、本当にやって良かったなって思いますね。これからも必要な支援ができるように選択肢をいろいろ用意しながらやっていきたいと思います。」

菊地さんはコロナ禍の中で子育て中のママさんたちのつながりが希薄になりがちな中、地域とのつながりも作るため、食材を提供してくれる農家を訪れ、野菜の苗植えや収穫体験なども開催しています。

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