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「鎌倉殿の13人」を彩る音楽 エバン・コールさん 日本との出会いとは?

  • 2022年03月04日

現在放送中の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で音楽を担当しているエバン・コールさん。アメリカで生まれ育ち、現在は日本で、アニメやドラマなど幅広く音楽を制作しています。エバンさんと「日本」との出会いや「大河ドラマ」音楽の聴きどころなどをたっぷりと伺いました。

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の世界を彩る音楽たち

2月23日。鎌倉市にある鎌倉芸術館で、「鎌倉殿の13人スペシャルコンサート」が開かれました。演奏は石田組。エバンさんもゲストとして招かれ、この日のために編曲したメインテーマなど、メドレーやアンコールも含め10曲が演奏され、観客を魅了しました。

その時代の「勢い」を音楽で伝えたい

「鎌倉殿の13人」の音楽でエバンさんが意識したのは、その時代の「熱い勢い」をいかに音楽に込めるかということだったそうです。

「当時はみんな、勢いだったり、名前を後世に残したいという気持ちで争っています。その当時の熱い魂や勢いみたいなものを表現したくて、男性コーラスを劇伴やメインテーマでもかなり使っています。特にこのドラマは人間の関係性がすごく複雑で面白いので、音楽でもそういう複雑さとか、細かい人の関係性を表現したいです。」

インタビューをした2月時点で、作曲した曲は90曲に及びますが、現在もドラマ後半に向け作曲が続けられています。

アニメ・ゲーム  “日本”との出会い

エバンさんはアメリカ出身の33歳。バークリー音楽大学を卒業後、2012年から日本で作曲活動を始め、これまでにアニメ「ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン」シリーズなどのアニメ作品やドラマなど幅広く音楽を制作しています。

そもそも“日本”との出会いとは?

最初はアニメでしたよねゲームも好きでしたし。ゲームだったら、『ゼルダの伝説』。その音楽も、子どもの頃から、ああこれはカッコいいなあと思って。当時はまったく音楽をやっていなかったんですが、音楽に魅力を感じて。アニメの音楽も聴きました。日本はちょっとアメリカと違う音楽の作り方だと感じたんです。よりメロディが強くて、より表現したいことが分かりやすいんです。あっ、これは気持ちいいなと思って。日本人の作曲家にちょっと憧れていました。」

初来日の時に買った“宝物”のペンケース 今も音楽制作の傍らに

「アニメは、アメリカではコメディのような笑うものが多くて。でも日本は1つのジャンルとしてアニメがあって、笑うところあり、アクション、サスペンス、ミステリーなどいろいろなジャンルが入っている、一つの芸術だと思ってます。なので、すごい魅力的だなと感じて。そこから『千と千尋の神隠し』、『もののけ姫』など観て、これは素晴らしいなと。魂が感じられるっていうか、作品に魂が込められていて、すごく感動しました。

バークリー音楽大学の卒業を控えたころ、ロサンゼルスやハリウッドに行くという人も多いなか、エバンさんが選んだのが、日本に行くことでした。

「日本人の友達から、日本もコンテンツが多いということを聞いていたんです。ドラマ、映画、アニメ、ゲーム、それ以外にもアニメのキャラクターソングとか。日本は、駅によって違う曲が流れたり、音楽がどこに行っても流れている印象があります。それは日本の文化の1つなのかなと。音楽を発表する機会もたくさんあるんじゃないかと思ったんです。」

今回のインタビューは、すべて流暢な日本語で応じていただいたエバンさん。日本語もアニメを通して独学で学んだと言います。

「(日本の)アニメを見ながら単語のリストを自分で作って勉強しました。初めて単語として覚えたのが、『どういたしまして』という単語で、次の日も100回くらいは言い続けてたんですけど、次の日に起きたら忘れました(笑)。英語とまったく違いすぎて難しかったです。日本にきてからも、面接ができるレベルの日本語でしたが、細かいシチュエーションによっては全く知らない単語が多く、やっぱり覚えることも多くて…。メールの丁寧な打ち方など、日本に来てからもいろいろ学んで、10年が経って今の感じです(笑)」

大河ドラマとの運命的な出会い

エバンさんが初めて「大河ドラマ」を見たのは、当時付き合っていた日本人の彼女(その後めでたくご結婚!)と日本に遊びに来た時でした。

「彼女の父親が大河ドラマが大好きな人で、当時放送していた大河ドラマ「天地人」を一緒に見たんです。私は当時まだ日本語がよくわからなかったのですが、それでもすごく面白いと感じて、いつか機会があったら音楽をやってみたいと思いました。だから、日本に来て、仕事の一番の目標が、大河ドラマをやることでした。話が来たときはすごく驚きましたし、うれしい気持ちもありましたけど、緊張感もすごかったです。佐藤直紀さんや菅野よう子さん、千住明さんなど、憧れている作曲家さんが過去の大河ドラマの音楽も作っているんです。その人たちと同じことができるとは思わなくて…。でも機会がいただけたことは、すごくうれしかったです。」

「今」につながる鎌倉の歴史

舞台の1つである鎌倉の地を何度も訪ねているというエバンさん。海、山などの自然と街なみの中に、歴史のあるものが今もなお残っていることに、大きな魅力を感じたと言います。

頼朝のお墓や、義時のお墓も見せて頂きました。この人たちがいたから、今の日本がある。日本はアメリカと比べても歴史がすごく長いのですが、その歴史に関係するものが今も残っていて、すぐに触れることができる。これはすごく貴重なことだと思います。」

物語とのシンクロ、“音楽の進化”を楽しんでほしい

2月27日の放送では、源頼朝がついに鎌倉に入る様子が描かれた「鎌倉殿の13人」。
最後に、今後のドラマと音楽の聴きどころについて伺いました。

「今後、源頼朝、そして、北条義時たちの行動によってどんどん歴史が動いていきます。どんどん物語が進化していくと、曲もそれに合わせて進化していくので、そこは結構聴きどころです。その音楽に耳をよせて集中して聴いていただけたら、より感動的な物語になるのではないかと思います。

インタビューは、3月11日午後6:10~[総合]首都圏ネットワークで放送予定です。
「鎌倉殿の13人スペシャルコンサート」は、4月6日午後5:05~ラジオ第1で放送予定です。
※放送日時は変更する場合があります

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