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川崎・子ども夢パーク 不登校の子にも居場所を

シリーズ「学校以外の居場所(1)」
  • 2021年08月20日

「学校に行ける気がしない、でも、行かないのも苦しい」
不安な気持ちを抱える子どもたちが安心して過ごすことができる居場所を紹介する「#学校ムリでもここあるよ」キャンペーンが、子どもの居場所作りに取り組むNPOなどで作る団体によって全国で始まりました。(2021年8月19日から9月30日まで)NHK横浜放送局では、神奈川県内の学校以外の子どもたちの居場所などを取材して紹介します。

川崎市子ども夢パーク

夏休み中の8月4日、川崎市の子ども夢パークを取材しました。30度を超す気温の中、庭には20人ほどの子どもたちが、泥だらけになって水遊びをしていました。本がたくさんある涼しい部屋で静かにゲームをする子、工作のコーナーでうちわ作りに挑戦する子、それぞれの子どもたちが思い思いに好きなことをしていました。施設を運営するNPO法人理事長の西野博之さんは、禁止事項はできるだけ作らず、子どもの自発的な発想で遊べる場所にすることを大切にしていると話しています。

遊びは子どもたちがつくる!

たとえば庭の滑り台。滑り降りると、水たまりにジャブンとダイブします。高いところまではしごで登れるタワーや、大きなハンモック。こうした遊具の多くは、子どもたちが意見を出して、スタッフと一緒に手作りしたものだそうです。取材したこの日も、子どもたちが泥を掘って水を流し込んで池を造っていました。

また屋内でもさまざまな遊びができます。屋根が付いた広場では、バスケットボールや卓球、バドミントンなどのスポーツができます。取材した日は、バスケットボールで遊ぶ子どもたちの姿が見られました。

また体を動かすよりも物作りが好きだという子どもたちは本格的な工作に挑戦ができるそうです。週末と月曜日、そして水曜日は、のこぎりなどの工具や木材やペンキなどを自由に使うことができるそうです。取材した日は、子どもたちが木工が得意な地域の人と一緒に物作りに挑戦していました。ほかにもドラムやキーボード、アンプ、マイクスタンドなどを備えた予約制のスタジオや、心を落ち着けることができるログハウスそして図書スペースもあります。取材した日は、子どもたちが涼しい部屋の中で、読書するなどして思い思いに過ごしてしていました。

生活支援につなげる場として

子ども夢パークの役割は、子どもたちに遊び場を提供するだけではありません。支援が必要な子どもや家庭と接点を持ち、食べ物や生活必需品など、必要な支援を届けるきっかけの場にもなっています。子どもや親は、ここから必要なものを持ち帰ることができます。取材した日はお米や即席で作れるおかず、それに生理用品などがありました。
理事長の西野さんは「支援が必要な家庭や子どもにとって、生活が苦しくても支援してほしいと名乗り出るのは心理的なハードルが高い。普段ここに通う子どもたちの様子をみながら、持って帰りやすいような声かけをしています。」と話しています。

子どもたちの学びを支える

施設には、子どもたちの学びを支える居場所もあります。「フリースペースえん」と名付けられたこの場所には、学校に通っていない主に小学生から高校生の子どもたちのべ140人が通っています。ここは説明会に参加して、面接を経て、利用登録をすると利用ができます。子どもたちはふだん、自分でやることを決めて過ごしています。勉強をしたり、友達と遊んだり、イベントの準備をしたりして過ごしています。昼食は250円で食べられます。この日の昼食はジャージャー麺。夢パークでそだてた夏野菜がたくさん入っていました。おやつは無料だそうです。

「フリースペースえん」では、子どもたちが意見を出し合っていろんなことを決めています。国内でも新型コロナウイルスの感染者が出始めたころ、「ごはんは顔をみながら楽しく食べたい」と言った子どもがいたそうです。どうすれば感染対策をしながら楽しく食事ができるか、みんなで考えました。そして透明のシートやプラスチックの仕切りを自分たちで作って一緒に食事をすることにしたそうです。

また、禁止事項はなるべく作らないようにはしていましたが感染対策でボールの貸し出しをやめたそうです。すると、子どもたちは自分たちで新聞紙とガムテープを使って弾みにくいボールを作り、さらに両手を広げてぶつからないようにするなど、出来るかぎり距離を保てるようなサッカーのやり方を考え出したそうです。

認定NPO法人フリースペースたまりば理事長 西野博之さん
「コロナ禍での子どもたちの様子を見ていて、子どもたち自身がウイルスから身を守るためにはどうすればいいか、自分たちの頭で考え、行動する姿がたくさん見られました。安全で安心な居場所で過ごしながら学校以外の場でも学ぶことはできます。疲れたときは休むこと。困ったときには、まわりの大人たちに『助けて』と言っても良い。どこで学ぶかよりも何を学ぶか、が大事だと思います」

川崎市子ども夢パーク(川崎市高津区下作延5-30-1)
AM9:00~PM9:00
※時間は変更になる可能性があります。詳しくはホームページを見てください
※毎月第3火曜日・年末年始(12月28日から1月4日)は休み
電話044-811-2001

  • 佐藤美月

    横浜放送局 記者

    佐藤美月

    2010年入局。甲府局、経理局を経てことし7月から横浜放送局。児童福祉や子どもの学習支援などをテーマに取材。

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