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  • 2024年3月19日

議論呼ぶ都庁のプロジェクションマッピング 予算7億円 妥当性は?

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東京の観光地としての魅力をさらに高めようと都がことし2月から始めた都庁の建物に映し出すプロジェクションマッピング。世界最大としてギネス記録に認定されました。 
この取り組みにかかる令和5年度(2023年度)の予算は7億円で、その妥当性をめぐり、今、議論を呼んでいます。 
(首都圏局 都庁クラブ/記者 川村允俊)

会場の都庁には観光客

都庁に映し出された色とりどりのプロジェクションマッピング。東京タワーや浅草寺など東京の観光名所をモチーフにしたものや、日本庭園など日本の文化や自然をテーマにしたデザインが映し出されています。世界最大の大きさとしてギネスに認定されていて、午後7時からおよそ2時間の間に、10分から15分ほどの映像が5回流されます。夜になると、都庁には、大勢の外国人観光客が訪れていました。

ドイツからの観光客

とてもすてきでした。

アメリカからの観光客

価値があると思います。

 

7億円の予算をめぐり議論

プロジェクションマッピングの都の今年度(2023年度)の予算は7億円。内訳は、投影の機器の設置や映像の制作などにおよそ4億9000万円、投影機器のリース、保守点検などにおよそ1億4000万円などとなっています。都は、世界最高水準の明るい光と繊細な色を投影できるプロジェクターを使用していることや、制作には、国際的にも著名なクリエーターを起用していることなどから、これだけの費用がかかるとしています。 
一方、SNSでは、プロジェクションマッピングをめぐり、「無駄遣いだなあ」「しょぼい」といった批判的な投稿も見られます。

こうした声を受けて、都議会では予算の妥当性などについて質問が相次ぎました。

自民党議員

プロジェクションマッピングを行う意義、目的について伺います。

共産党議員

都政がやるべきは暮らしを照らすこと。

こうした質問に対し、都の幹部は、意義について、こう説明しました。

都の幹部 
「高い芸術性と世界をリードする技術によるプロジェクションマッピングは都市の価値を高めるキラーコンテンツとなる。東京の夜間の観光振興に向けてこれを活用することは極めて重要だ」

小池知事も会見の場で、経済効果について、強調しました。

小池知事 
「有識者の皆様方からもナイトタイムの観光の工夫ということも指摘されている。プロジェクションマッピングの日本の技術は非常に高く、キラー技術であるので、これを生かしていく。今年度の予算額は7億円だが、経済波及効果は18億円と申し上げている」

なぜプロジェクションマッピング?

都が、取り組みの意義を強調する“夜間の観光振興”は、東京の魅力をいっそう高めるために欠かせない要素だとしています。というのも、ナイトライフの充実度が、世界の有名都市と比べて、後れを取っているからです。

2023年の世界の都市ランキングでは、ロンドン、ニューヨークに次いで、東京は3位となっていますが、ナイトライフの充実度では、東京は30位にとどまっています。夜間の観光振興を充実させ、インバウンドなどの消費を高めようと都は、3年前からプロジェクションマッピングの国際大会を開いてきました。その結果、大勢の人を集めることができたことなどから都は、都庁での実施を決めたのです。

都民の受け止めは?

果たして、その原資となる税金を納める都民はどのように受け止めているのでしょうか。

20代女性

もったいないと思います。物価が上がっているので、そういう支援金をしてほしい。

60代女性

日本に来てよかったな、きれいなところだったなって思ってくれるんだったらいいんじゃないかな。

30代男性

賛成でも反対でもなくどちらでもいいです。興味があまりないです。

プロジェクションマッピング、始まってまもなく1か月ですが、都によりますと、これまでに訪れたのはおよそ4万人にのぼるということです。都は、令和6年度(2024年度)予算案に、9億5000万円を計上しています。また、都庁舎だけではなく、都内各地でプロジェクションマッピングを行い、国内外から訪れる観光客に都内での消費を高めてもらう計画づくりを進めていくとしています。

取材後記

街の人に話を聞くと、多くの人が都庁でのプロジェクションマッピングについてあまり知らない印象を受けました。また、7億円の予算という情報だけが出回って、十分に都の意図が伝わっていないようにも感じました。今後、夜間の観光振興として、都が期待するような経済波及効果を生み出すことができるのか、注視していきたいと思います。

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