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危険!ヒヤリ!電動キックボードが走る街 まるで“無法地帯”?

  • 2022年7月8日

急速に普及が広まる電動キックボード。手軽な移動手段として、国も普及に取り組んでいます。しかし、実際に街を走る電動キックボードを見て、危ないと思ったり、ヒヤっとしたりした経験はありませんか。街の様子を取材しました。

見ているだけで“ヒヤッ” 危険運転の実態は

電動キックボードの利用者が多い東京・渋谷。
一部の利用者によるさまざまな危険運転・交通ルール無視の実態を目にしました。

信号を待つ男性の耳にはイヤホンが。電動キックボードにはスマホが取り付けられ、
動画が再生されていました。いわゆる“ながら運転”です。
イヤホンや動画を視聴しながらの運転は、周囲の音や危険に気づけず、事故につながる恐れがあります。(道路交通法では、動画を見ながらの運転は禁止されています )

危険運転は車道以外にも。現在禁じられている、歩道での運転を行う2人組がいました。

ほかにも、2人乗りをする利用者や、一方通行の道路を逆走する利用者も。
見ているだけでヒヤッとする危険運転が多数見受けられました。

歩道を走行していた利用者を直撃すると…。

利用者

歩道を走るのがダメなのはわかっていなかったです。結構、ほかの利用者が歩道を走るのを見ていたので。

運転には免許が必要 さらに機体性能によってルールも異なる

「手軽に乗れる」というイメージの電動キックボードですが、利用するには「原付免許」
「普通自動車免許」や「自動二輪免許」が必要など、細かなルールが定められています。
さらに、電動キックボードの速度・性能により、ルールがそれぞれ異なるのです。

〇最高速度30km/h以下
モーターの出力が0.6キロワット以下、最高速度にすると「時速30キロ以下」のものは、道路交通法では原付きバイクとみなされます。原付きの免許が必要で、走行できるのは車道のみです。また、ヘルメットの着用やナンバープレートの取り付けが義務づけられています。

〇最高速度30km/h超
最高速度が時速30キロを超える場合では、小型バイクとみなされます。走行は車道のみで、ヘルメットやナンバープレートが義務づけられている点は最高速度30キロ以下と同じですが、自動2輪の免許が必要になります。

〇最高速度15km/h以下(実証実験)
もうひとつは実証実験です。車両の最高速度が15キロ以下になっていて、自転車専用レーンも走行できます。ヘルメットの着用義務はありません。自動2輪免許や普通免許などが必要です。

細かなルールが設定されているものの、電動キックボードの利用者からは、こんな声も聞かれました。

利用者

警察に注意されてルールを知った

利用者

たとえば一方通行の時、“どうしたらいいんだろう”って思う時はありますね

こうしたルールを理解しないままの利用で、事故や違反が急増。
全国では去年9月~ことし3月まで、道路交通法違反での検挙が265件、指導警告は454件発生しています。

出回り始め“野良”電動キックボード 後押しするのは“グレーゾーンビジネス”

さらに、事故・違反につながる重大な問題もあります。
歩道に止められた1台の電動キックボード。
よく見ると、公道を走るために必要なナンバープレートやブレーキが装備されていません。

男性に話を聞きますが・・・

取材
スタッフ

ナンバーついてないですが、大丈夫ですか?

男性

・・・・。

質問には答えず、去って行きました。

こうした違反車両が増える要因のひとつが、インターネットでの販売手法にあります。
販売ページを見ると、電動キックボードの性能については詳しく説明されているものの、公道を走れる商品かどうかは、小さく書かれていたり、説明文を詳しく読まないとわからなかったりするものもあります。

なぜ、「公道を走れる」とわかりやすく明記しないのか。
注意書きの方法・内容については、それぞれの販売者にゆだねられているといいます。

こうした状況に警鐘を鳴らしているのが、公道を走ることのできる電動キックボードを販売する会社です。

横浜市にある販売会社では、海外で販売されている電動キックボードを輸入。
バックミラーやウインカー、ブレーキなど、日本の公道を走るために必要な保安部品を整備した上で販売を行っています。

電動キックボード販売会社 金 洋国さん 
「販売ページをぱっと見た限りだけだと、どれが公道で走れるのかすごく分かりにくいというのが問題だと思います。中には正しくない情報もあります。たとえば『電動キックボードの法改正がされたら、どんなキックボードでも乗れるようになります』とありますが、それは誤りです。法改正がされてもちゃんとしたルールがあり、どんなキックボードでも免許無しとか、ヘルメット無しで乗れるようになるわけではない。
いま警察も含めて、インターネットの販売業者に、『公道を走れる商品かどうか必ず明記するように』という通達も行われています。
同業者の方には、公道を走れる商品かどうか、しっかり記載していただきたいと思っています」

合原アナ電動キックボードに乗ってみたの記事はこちら
電動キックボードの違反走行への対策に関する記事はこちら

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