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千葉 習志野 秋津サッカー場 天然芝から人工芝に!?広がる波紋

  • 2022年6月3日

全国でもトップレベルの天然芝のサッカー場がある千葉県習志野市。地域の人たちにも親しまれているこのサッカー場の芝を巡って、いま波紋が広がっています。
(千葉放送局/記者 武田智成)

“地域の宝” 天然芝のサッカー場

千葉県習志野市にある秋津サッカー場で、そろいのユニフォームで楽しむ草サッカー。足元に広がるのは、天然芝です。

地元の利用者

本当に最高の環境だと思います。けがをにしにくいですし、ボールは蹴りやすい。

地元の利用者

子どものころから憧れの場所というか大切な場所ですね。

サッカー場は昭和57年、習志野市が建設しました。

市民に最高の環境を提供しようと天然芝を全面に採用。以来、地域の“宝”として、市民に親しまれてきました。天然芝は日本代表チームからも高い評価を受けています。国際大会の直前合宿など度々使用されてきました。

しかし、建設から40年。施設の老朽化を受け、市は改修工事の計画案を発表。天然芝から人工芝への張り替えが検討されていることがわかったのです。
理由のひとつが天然芝の管理コストの高さです。整備に手間がかかるため年間の維持費はおよそ3000万円。一方、利用料で得られる収入は300万円です。市民が利用しやすいように、2時間でおよそ8000円と低く設定しているため、赤字が続いているのです。

さらに、頭を悩ませているのが稼働率の低さです。天然芝は傷みやすいため、一定期間、休ませなければなりません。利用できる日は年間でおよそ150日となります。市民からは使いたくてもなかなか予約が取れないという不満の声が上がっていました。

市は管理しやすい人工芝に張り替えることで、コストを抑え、市民の利用も増やせると考えています。

習志野市教育委員会 生涯スポーツ課 三橋智課長
「コストの面は大幅に削減することができます。公共施設である以上、多くの習志野市民に利用していただきたい」

“貴重な天然芝を残してほしい”

“天然芝から人工芝へ”。こうした市の方針に戸惑いが広がっています。
習志野市のサッカー協会には小学生から社会人までおよそ80のチームが加盟していて、毎年、天然芝のサッカー場で大会を開いてきました。

集まった署名は4000人分に

協会で会長を務める片桐正広さんは「貴重な天然芝を残してほしい」という思いから、署名を集めています。集めた署名は5か月間で4000人分。地域のサッカー関係者のほか日本代表選手も協力しているといいます。片桐さんはこうした声を受け止めてほしいと考えています。

習志野市サッカー協会 片桐正広 会長
「秋津サッカー場の40年の歴史の中で、培われてきた、育ってきた皆さんもいる。愛着のある場所でもあるということで、天然芝をぜひ残していただきたいなと思います」

取材後記

コストや稼働率の低さ、こうした課題は、当初から想定されていました。習志野市はこの40年で施設を巡る環境が大きく変わったことが今回の見直しのいちばんの理由だとしています。
コストについては市民からより厳しい視線が注がれるようになりました。また、スポーツの多様化を受け、施設をラグビーやホッケーなど、サッカー以外でも使いたいというニーズは年々高まっていて、こうした時代の変化に対応するためにも管理しやすく一年中使える人工芝に変えることが必要だとしています。
片桐さんが集めた署名は習志野市の議会に提出され、今後、議論されることになります。市はできるだけ早い時期に最終的な方針を示したいとしていて、判断が注目されます。

  • 武田智成

    千葉放送局 記者

    武田智成

    2018年入局。日々、事件や事故などを取材。去年11月に松山局から異動。生まれも育ちも関西のため、関東に住むのは初めて。

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