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  • 2022年2月7日

「車すれ違えないほど狭い」高崎市の通学路 車社会で始まった対策

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「車がすれ違えないほど幅が狭い道路です。小学校の登校時間と通勤時間が重なって、子どもたちが毎日危険にさらされています」

群馬県高崎市の女性から寄せられた投稿です。 
NHKでは、去年6月に起きた千葉県八街市で下校中の児童5人が巻き込まれた事故のあと、視聴者から寄せられた「危険な通学路」に関する投稿をもとに、取材を続けています。 
この声をもとに高崎市の現場や、関係機関を取材しました。 
(「その通学路、安全ですか?」取材班 前橋放送局/記者 田村華子)

通学路は“ないない尽くし”

群馬県高崎市にある八幡小学校の通学路です。狭い道幅、歩道もありません。 
中央に線はありませんが、一方通行ではなく、子どもたちのすぐそばを車が次々と走っていきます。

この通学路の情報を寄せてくれた近所に住む星野由紀さんです。

星野由紀さん 
「ガードレールもないし、何キロ走行ですよという(速度規制)も狭いところにない。“ないない尽くし”ですよね」

通勤と通学が重なる時間帯。スピードを出して、「車優先」のように走るドライバーも多いと指摘します。

星野由紀さん 
「『車社会』になっているので、車の方からの目線しかない。車の方が減速してくれればいいのだけど、そういう車ばかりじゃない」

全国有数の車社会ゆえに…

群馬県は、人口当たりの車の保有台数や免許の取得率が全国トップ。全国有数の「車社会」と言われています。

車の速度を抑えたり、一方通行にしたりする規制に踏み切れば、通勤などの生活に大きく影響するため市民から反対意見が寄せられることも少なくないといいます。

地元の八幡小学校です。通学路の安全を最優先に対策を進めたいと考える一方、「車社会」ならではの難しい事情を感じています。

半円状の段差が設置された通学路

6年前、市内の中学校の通学路にスピードを落としてもらうため半円状の段差を作る「ハンプ」を設置した時、ドライバーにとっては使いづらいという声が入ったといいます。

八幡小学校 前島朗校長 
「でこぼこが大きすぎるとかいう苦情をいただいたということも聞いておりますので、道路を使う車、歩行者、自転車、いろんな方の意見を調整するのはなかなか難しい」

動き始めた対策

「車社会」でも通学路の安全対策を加速させたい。 
この学校では、PTAや地域から危険な通学路についての報告を受け、それを市に随時、伝えるようにしています。 
 

八幡小学校 前島朗校長 
「実際に今この場所がどんな状況なのかっていう生の声を、学校が地域から聞き取るということ自体が本当に大事だと思います」

要望を受けた高崎市も独自の対策に乗り出します。 
新年度は2100万円の予算を組み、今後3年間、市内120か所で整備を行います。

ポールで道路の幅を狭く

対策は路面に段差をつけ、車の速度抑制を目的とした「ハンプ」や、道路の幅を狭くしてポールを設置する「狭窄」という取り組みを進めます。

情報提供があった通学路は今のところ計画に入っていませんが市は今後、対応を検討していくとしています。

高崎市地域交通課 大澤康典課長 
「要望書にしても必ず担当者が受け取って現地を確認してどういう対応をしようという風に進めている。道路幅を拡幅するというのは、時間も手間も当然費用もかかるので地域の理解も必要でなかなか困難です。地域の方、保護者ときちんと連携をしてみなさんが納得して通学が安全になったと実感できるように事業を進めていきたい」

 

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