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足利市の両崖山 山火事で焼失の休憩所は地域の力で再建しました

  • 2021年12月11日

山火事でみんなが憩う山の休憩所が燃えてしまった! どうする…?
栃木県足利市にある両崖山(りょうがいさん)では、地元の人たちが、少しの予算と大きな工夫で、新しい休憩所を再建しました。
(宇都宮放送局/カメラマン 岡田光弘)

地元に愛される「両崖山」

栃木県足利市にある両崖山は標高251m。岩場で起伏に富んだコースもありますが、1時間もあれば登れる手軽さから地元の人たちにとても親しまれ、毎日の散歩代わりに登るという人もいます。

登山者

私は週に3日。

登山者

私は日曜だけ休み。

焼失した休憩所

その山頂付近にあるのが休憩所です。天候次第では、東京までも見晴らすことのできるほど眺望が良く、登山者にも好評でしたが、山火事で焼失してしまいました。

山火事が奪った 大切な場所

両崖山が山火事の被害に見舞われたのは、ことし2月のことでした。23日間に渡って燃え広がり、およそ167ヘクタールが焼失。多くの人に愛されていた休憩所も、燃え落ちてしまったのです。

足利市内の会社の登山サークルのメンバーで、両崖山にはメンバーと何度も登っているという鈴木利和さんは、休憩所で景色を眺めながら、仲間たちと仕事や将来の夢などを語り合ってきたといいます。

鈴木利和さん
「僕らの思い出と共にあった場所なので、それも燃えたような喪失感が僕にはありました」

「愛着ある場所をみんなで取り戻したい」
山火事の2日後には、再建に向けて動き出しました。

全国の山好きが応援

活動は予算を集めることからスタートしました。
そのために鈴木さんたちが利用したのが、クラウドファンディングです。休憩所の再建を訴えて、寄付を呼びかけると、1ヶ月で、山を愛する全国の人たちから、60万円ほどの寄付が集まりました。

地域のみんなも応援

しかし、その額では、製作を業者に依頼するには足りません。そこで相談したのが、地元の工務店の大工、熊倉拓哉さんでした。熊倉さんは、地元のためならばと、わずかな報酬で設計と監修をしてくれることになりました。

人手が必要な製作と設置は、建築科のある地元の高校を頼りました。学校も協力を快諾してくれて、生徒たちは「自分たちが作るものが人々に長く使われるものになれば」と快く取り組んでくれました。製作は、授業の一環で行われ、生徒たちは、熊倉さんに指導を受けながら、製作に取り組みました。

生徒

自分たちで作り上げていくウッドデッキを、みんなで長く使ってもらえたらなと思います。

さあ、人海戦術! 材木担いで山を登る

11月19日、いよいよ設置です。5か月がかりで製作した木材を山に運び上げます。高校生や大学生、ボランティアなどおよそ120人が参加し、材木を担いで、登山道を1時間かけて登りました。

そして組み立てはじめてからおよそ5時間、みんなが待ち望んだウッドデッキの休憩所ができあがりました。参加した人たちの表情には疲れも見えましたが、とても晴れやかでした。 

参加した生徒
「1番は達成感っていうのが大きくて、この日のために日々頑張ってきたので、きょう完成して良かったと思っています」

鈴木利和さん
「みなさんの力がなかったら、完成しなかったものなので、誰かの思い出に残るような休憩所になれれば、それが一番いいかなと思います」

 

みんなで力をあわせて作った新たな休憩所。これからもいろんな思い出が生まれる“憩いの場”として、残っていってほしいものです。

  • 岡田光弘

    宇都宮局 カメラマン

    岡田光弘

    2000年入局。山口局、前橋局、報道局、岐阜局、帯広局などを経て、2019年から宇都宮局。 故郷である栃木県で楽しく生きようとしている人を探して取材中。お気に入りだった餃子屋さんが閉店してしまったため、現在開拓中。

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