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昭島の水道水は都内唯一の“深層地下水” おいしい水で観光PR

  • 2021年11月24日

雑味が少なく、おいしいと市民の方々に評判の昭島の水道水。実は、東京都内の自治体でも唯一、深層地下水だけを使っているのです。おいしさの秘密や、昭島の水道水を使った町おこしを取材しました。
(アナウンス室╱宮崎大地)

駅前に水道水の給水スポット

JR昭島駅の目の前に、ことし7月、突如、現れたこちらのスポット。昭島の水道水を無料で飲める給水所です。昭島の水道水がおいしいというのを、もっと多くの人に知ってもらおうと作られました。
高さおよそ2メートルで、河童を模した市のキャラクター「ちかっぱー」が上部に座り、遠くからでも目立つデザインとなっています。
現在、昭島市内を通るJR青梅線の昭島駅の他に、拝島駅、中神駅、東中神駅の4か所に置かれ、利用者からの評判も上々です。

日野市から来た女性

インターネットで見て、用事があった際は必ず行こうと思っていました。昭島の水道水は、とがっていないというか、すごくまろやかなので、この水で好きなコーヒーを入れてみたい。

市内の企業で働く人

飲みやすいですね。給水所を利用しているのは週2、3回くらいで、駅前にあるので結構使いやすいです。

おいしさの秘密は深層地下水

なぜ昭島の水道水は、おいしいのか?その秘密は、地下にあります。
実は昭島市は、都内の自治体で唯一「深層地下水」だけを水道水に使っているのです。

「深層地下水」とは、多摩川上流部の山地や武蔵野台地に降った雨や雪が、砂利や砂などによってろ過されながら、およそ30年かけてゆっくりと地下深くにしみ込んだものです。
昭島市の地層は、多摩川の流れの影響で水を通し貯める役割を持つ「砂利層」が厚く形成されているのが特徴です。このため他の自治体に比べて、地下水が豊富なのです。

昭島市ではその水を地下150メートルから250メートルのところからくみ上げています。
「深層地下水」は、土壌がフィルターの役割を果たし、不純物を取り除くとともにミネラル成分なども溶け込んでいるため、雑味が少なくおいしい水になります。

市では、ミネラルウォーターのようにおいしい水道水を多くの人に知ってもらおうと、あの手この手を使ってPRしています。

冒頭に紹介した無料の給水所に加えて、「深層地下水」の仕組みやそのおいしさを伝える動画を制作し、無料の動画投稿サイトで公開したり、さらには昭島の水道水を詰めたボトルを市のふるさと納税の返礼品にしたりして、昭島の水を知ってもらうきっかけづくりを行っています。

昭島市役所環境部環境課 渡邊努さん
「雑味がなくて、よくミネラルウォーターと変わらないおいしさだと昭島市民の方々には言っていただいております。今後昭島市としては、市外の方にもっとPRし、昭島を訪れるきっかけにしてほしいです」

深層地下水は市民の誇り

実際、市民の方はこの深層地下水をとても大切な存在と感じているようです。昭島市内でブックカフェを営む勝澤光さん。勝澤さんのカフェでは、ミネラルウォーターなどを使わず、水道水のみを直接使用しています。

お店の一押しメニューは、緑茶。味の濃いコーヒーよりも緑茶の方がお水のおいしさをより味わえるためです。勝澤さんのところでは、一度沸騰させ、70度に冷ました深層地下水でお茶を入れることで、雑味のないまろやかな味に仕上がるそうです。

ブックカフェ経営 勝澤光さん
「昭島育ち昭島生まれの僕にとってお水はいつも身近な存在でした。直接グラスから飲んだりするとお水のおいしさを感じることができ、そういうときにちょっとしたことですけど、幸せだなと思う時があります。商売をする上でも、この水は子の代、孫の代まで守っていかないといけない存在です」

深層地下水で町おこし

その深層地下水を使って、町おこしに活かそうという動きも始まっています。
そのひとつ、昭島市内にある拝島駅前商店会が新たな名物として売り出そうとしているのが「拝島ハイボール」。

必ず昭島の水道水つまり深層地下水を使うことを条件に、杉の香りをつけた日本酒風味の「白」と、黒ビールの麦汁を加えた甘口の「黒」の2種類のメニューを提供しています。

JRと西武の乗換駅でもある拝島駅。商店会はその駅前に位置しているので、少しでもお客さんに商店を巡ってもらったり、買い物をしてもらったりするきっかけにしようと、この「拝島ハイボール」を考えました。

この取り組みに11月現在、商店会の飲食店16店舗が参加しています。また「拝島ハイボール」と一緒に味わってもらおうと、各店舗でおつまみも考えてもらいました。

その名も「拝辛(はいから)メニュー」。
たことキムチの炒め物やピリ辛のソーセージなど、拝島ハイボールに合う、辛さが特徴のメニューです。

拝島駅前商店会 岡部恒男会長
「緊急事態宣言が出て、酒類の提供ができない時期があり大変に心配していましたが、ようやく再開することが出来ました。拝島駅を普段乗り換えの為だけに利用している人も是非一度降りて、商店会の店を巡って拝島ハイボールを味わってほしいです。この深層地下水は昭島市民の誇りです」

取材後記

飲むと雑味が少なく、すっと体に入っていくような感覚が味わえる昭島の深層地下水。取材をすると行政も市民もそれぞれがこの水道水を誇りに思っていることが感じられました。私自身普段あまり水道水の存在を感じることなく過ごしていましたが、考えてみたら水を使わない日はないわけで、今後生活する場所として「水道水がおいしい自治体!」というのも十分、選択肢の一つになると感じました。皆さんはいかがですか?

  • 宮崎大地

    アナウンサー

    宮崎大地

    2004年入局。大阪放送局や長野放送局などを経て現所属。エンターテイメント業界などを取材。これまでに新海誠監督や野田洋次郎さんなどのインタビュー番組を制作。

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