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神奈川 綾瀬市 内定者を辞退させない!“働きやすい職場”で勝負

  • 2021年11月5日

少子化の影響などで地方の自治体の人材確保が課題になっています。特に大都市に近い自治体では、隣接する大きな市に内定者を奪われるなど、人材獲得に苦慮するところも少なくありません。こうしたなか、横浜市や相模原市などに近い神奈川県綾瀬市では“働きやすい職場”を作って優秀な人に集まってもらおうという取り組みを始めています。
(横浜放送局/記者 岡肇)

コロナ禍でも深刻!公務員のなり手不足

神奈川県の綾瀬市役所では、10月、職員の採用試験が佳境を迎えていました。
採用試験の受験者は、綾瀬市でも減少傾向が続いています。優秀な人材の確保は、きっきんの課題だといいます。

綾瀬市 内藤勝則 副市長
「今はコロナ禍で経済が厳しいと言われているなかでも、実は公務員の試験を受けてくれる人って少ないんですよね。我々も面接というのは、本当に真剣勝負だと思って行っています」

受験者の減少に加えて、人事担当者を不安にするのは、内定を出した人全員が、本当に来てくれるのかということです。せっかく採用が決まっても内定を辞退する人が後を絶たないのです。

直近の令和2年度は最終合格者27人のうち、5人が辞退しました。
辞退者が、理由として挙げたのがその立地でした。

近隣の横浜市などの大都市に採用されて辞退した人も少なくありません。市内に鉄道の駅がなく、通勤が不便なことを理由に挙げる人もいました。

職員課 三宅勝 課長
「非常にショックですね。採用時には、必ず来て頂けるようなお話を頂いていたんですが、辞退の連絡を受けると、さみしい気持ちになります」

“働きやすい職場づくり”で勝負

立地条件が変えられないなら、中身で勝負をしようと、市が始めたのが“働きやすい職場づくり”でした。
ことし4月、県内の自治体で初めて、完全フレックス制度を導入。所定の勤務時間を満たせば、給与を減らさず勤務時間を設定できて、週休3日も可能にしました。

この制度を利用する町田直樹さんです。通常、午前8時半からの勤務を1時間前倒しして業務を開始。1時間早い午後4時には仕事を終えます。

共働きのため、保育園などに子ども2人を迎えに行きます。お迎えも食事も、仕事をする妻と分担して行っています。

子育てをするなかで、我が子のちょっとした成長に気付くことができ、仕事と家庭の両立が持続可能になっていると感じるといいます。

町田直樹さん
「フレックスで働きやすくなったことで、私は家庭が充実して、その分、仕事も元気よくできるようになりました。それぞれの生き方があるなかで、仕事以外の場が充実すると、自然と職場の雰囲気もよくなって、組織が活性化してくる感じがします」

さらに市では、10月から育児や介護などを理由に、退職した職員が復職できる制度も導入。今後も、魅力的な職場環境を作って人材獲得競争に勝ち抜きたいとしています。

職員課 三宅勝課長
「多様な働き方ができるということは、それなりに受験生も増えてきていただけると思います。多様で優秀な人材を確保して、市民サービスの向上につなげていきたい」

編集後記

コロナ禍で経済状況が厳しくなるなか、安定志向の高まりで公務員を志望する人は減ってはいないだろうと思っていました。今年度に入ってから、綾瀬市が働きやすい職場を作ろうと、次々と新たな制度を導入する背景事情を調べたところ、人材獲得競争をめぐる自治体の悩みや苦労があることを知りました。今後も、世の中のちょっとした変化に目をこらして、その背景にある「いまの動き」を多くの人に伝えられるよう、取材を続けます。

  • 岡 肇

    横浜放送局 記者

    岡 肇

    2012年入局。岐阜局、秋田局を経て30年から現職。県央地域や相模原障害者殺傷事件を担当。

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