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神奈川県 第6波に警戒 抗原検査キットを小学生以下の家庭に配布

  • 2021年10月25日

新型コロナウイルスの新たな感染者数は減少傾向にありますが、第6波に備えた動きが進められています。神奈川県では、30分程度で結果が分かる「抗原検査キット」を、ワクチンを打つことができない小学生以下の子どもがいる家庭に配布する取り組みを始めました。
(横浜放送局/記者 古賀さくら)

抗原検査キットとは

抗原検査キットは、鼻に綿棒を入れて検体を採取し、検査を行うものです。15分から30分程度で結果が分かります。体調が気になる場合に、自宅などで、自ら検査ができるのが特徴です。

症状があっても検査を受けずに学校や仕事に行って、感染を広げてしまう人を減らそうと、神奈川県では9月から、ワクチンを打つことができない小学生以下の子どもがいる家庭に、あわせておよそ77万人分の検査キットの配布を始めました。

神奈川県平塚市の「もんもん保育園」では、9月30日に抗原検査キットを園児の保護者に配りました。

母親

小さい子どもがいると病院に行くのはハードルが高いので、自宅で調べられるのは助かります。

父親

乳幼児はワクチンが打てないので、熱が出た時などに家でチェックできるのはありがたいです。

この保育園では、これまで園児や職員の感染は確認されていないものの、発熱などの症状が出た園児や保育士が、すぐに医療機関の予約が取れず、検査までに何日もかかることがあったといいます。
 

もんもん保育園 高野洋奈園長
「最終的には医療機関を受診してもらう必要がありますが、まず検査をしてもらえば安心できますし、園としても準備ができるのでありがたいです」

検査キットで陽性 外出控える効果

神奈川県が、ことし5月から6月にかけて県民およそ14万人を対象にアンケート調査を行ったところ、およそ30%の人が発熱やせきなどの症状があっても医療機関を受診せず、仕事や学校に行くと回答しました。

一方、7月から8月に抗原検査キットを4万人に配布して調べたところ、陽性の反応が出た人のうち88%が医療機関を受診し、98%は外出を控えたという結果が出ました。

抗原検査のキット

神奈川県内の高校2年の女子生徒は、ことし7月に発熱や関節の痛みを感じたため、県が試験的に配っていた検査キットを使って自宅で調べたところ、陽性の反応が出ました。このため、学校に行くのをやめて病院に行き、陽性の診断を受けたということです。
 

左:母親 右:女子生徒

女子生徒
「病院で感染するリスクもあると思うので、病院に行くのは少し抵抗がありました。この時も、しばらくしたら一度熱が少し下がったので、キットがなかったら、多分解熱剤を飲んで翌日は学校に行ってしまったと思います。もしかしたら感染を広げてしまったかもしれないので、検査ができて良かったです」

生徒の母親
「娘とはLINEでやりとりをして、自分の部屋から出るときは、マスクをしてアルコール消毒を徹底しました。もし検査キットがなかったら、病院を受診するまですごく不安だったと思います。みんながちょっと心配な時には、キットで検査をして感染が広がらないような行動につながればいいと思います」

県のコロナ対策を指揮 医師の阿南英明統括官
「症状があったら医療機関を受診すべきなのはみんなわかっているが、現実には、なかなか休めず、医療機関に行くのは敷居が高い。抗原検査キットを使うことで、家で調べて陽性だったら学校や職場に行かないで医療機関に行くというふうに行動変容を促したい」

未承認のキット・偽陰性のリスクにも注意を

抗原検査キットは、9月27日から薬局での販売が特例的に認められ、一般の人も購入することができるようになりましたが、通販サイトなどでは、国の承認を受けておらず、ウイルスを検出する精度が低い製品も販売されています。

神奈川県は、国が認めたものは、薬剤師が対面で使い方を説明して販売することになっているので、必ず基準をクリアしたものを使うよう呼びかけています。
また、症状が出ておらず、ウイルスの量が少ない場合、感染しているのにもかかわらず陰性の結果が出る「偽陰性」のリスクがあります。陽性となった場合は医療機関の受診が必要です。

阿南英明統括官
「抗原検査キットを陰性を確認するために使うのは勧めない。症状があっても陰性だった場合は、少なくとも翌日もう1回検査をしてほしいし、検査が陰性でもほかの病気の可能性もあるので、なるべく医療機関を受診してほしい」

編集後記

神奈川県の調査で30%もの人が、発熱などの症状があっても医療機関に行かず、ふだん通り生活すると回答していたことは驚きでした。

発熱などの症状がある場合は、すぐに医療機関を受診するのが一番ですが、受診できる医療機関は限られ、場合によってはすぐに予約が取れないこともある上、病院で感染するリスクを恐れて躊躇してしまう人もいるようです。

だからこそ、こうした検査キットを使ってまずは自分で検査してみて、陽性になったら外出は控えて医療機関を受診しようと勧める取り組みは、感染の拡大を防ぐためにも有効だと感じました。

  • 古賀さくら 

    横浜放送局 記者

    古賀さくら 

    横浜局、前橋局を経て、現在は横浜局で県政担当。

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