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小江戸の商店街“まちゼミ”でコロナ禍でも活気を!埼玉県川越市

  • 2021年9月17日

“小江戸”として知られる埼玉県川越市。コロナ禍で商店街を訪れる客が減っている中、活気を取り戻そうと行ったユニークな取り組みに注目が集まっています。商店街や近隣の商店の店主たちが専門知識や技術を生かして開くゼミナール、「まちゼミ」です。
オンライン開催なども取り入れながら、お客さんとのつながりやお店どうしの助け合いを守ろうと奮闘する人々を訪ねました。
(さいたま放送局/キャスター 岸田祥子)

コロナ禍に負けない! “まちゼミ”で川越に活気を

蔵造りの町並みが今も残り、“小江戸”と呼ばれる川越。新型コロナウィルスの影響で観光客は半減しています。300年以上続いてきた歴史ある「川越まつり」も2年連続の中止となりました。

街の活気を失わないためにと商店街が期待を寄せるのが「まちゼミ」です。
その一つをのぞいてみました。

商店街近くのダンス教室で開かれた「美しい歩き方講座」です。

先生「そのままキープ!」
参加者「きついです…」

講師は社交ダンススクールを経営している岡田祐子さんです。社交ダンスは“歩くダンス”とも言われるそうで、美しく歩くためのノウハウを指導してくれます。
実は講師はもうひとりいます。商店街の靴屋の店主キャシーさん。歩き方のレッスンが終わると参加者の足の裏の状態をチェックしてくれるのです。

安定した姿勢を保って歩くには、靴の中敷きが重要な役目を果たすそうです。自分の足に合ったものを使うと、姿勢が良くなり、身体がぶれずにしっかり立つことができます。

 

プロの人から歩き方のレッスンを受けられてよかったです。今までなんとなく歩いていたので。

 

無料なのがうれしいです。人数も少なくて安心でした。

お店の人のプロならではの知識や技を、実費以外は無料で学べるというのが「まちゼミ」です。川越では今回88の講座が企画され、好評を集めています。過去にはこんな個性豊かな講座も開かれてきました。

「行政書士が教える遺言の基本」「万年筆のお手入れ講座」「自分で育てる手作り醤油」
「スキップを習得しよう」「塩ビ管で作る水道屋の水鉄砲」
(まちゼミHPより)

この街で学習塾を経営する川越まちゼミ代表の榎並和良さん。商店街だからこその特徴がコロナ禍にうまく生かせているといいます。

榎並さん
「大きなイベントは今できなくなっていますし、お客さんもたくさん人が集まるところにはなかなか行きたくならないと思いますが、商店街は一つひとつが小さなお店で、少人数で開催できます。もともとはコロナ関係なくやってきたものですが、コロナ禍でも魅力を伝えられるいいイベントになっているのではと思います」

オンラインで新たな出会い

まちゼミでは、商店街に直接足を運べない人ともつながりを作ろうと、オンライン講座も積極的に開いています。
ドラム教室の講師、島野和樹さんが開催したのは「オリジナル着信音づくり」のオンライン講座。スマートフォンやタブレット端末のアプリを使ってできるので、どこからでも参加できます。

画面ごしに進み具合をこまめに確認しながら自由に着信音を作っていきます。1時間ほどかけて小学6年生の男の子が作ったのは、自分の声を使ったアラーム音です。

 

楽しかったです。うまくできたと思いました。

 

コロナ禍でもオンラインで教えてくれるのは、すごくありがたいです。

 

島野さん
「もちろん大変なのですが、コロナがなければオンラインで講座をするという考えもなかったですし、商店主さんともオンライン会議するのが当たり前になるなどポジティブな面を評価したいと思っています。オンラインだからこそ集まってくれる人、これまでになかった出会いがあると思うと、やってよかったなと思います」

地元の人が街を見直す機会にも

お客さんとのつながりを守ろうとバラエティー豊かな講座をたくさん開いていることで、意外な人たちとのつながりも生まれています。
川越の歴史をたどる「まちあるき講座」。参加したのは、川越出身の大学生たちです。

講師をつとめるのは全国通訳案内士として外国人観光客のガイドをしてきた鈴木美和子さん。川越のまちを知り尽くしているとあって、街をのんびりと歩きながら“こまかすぎる”川越の歴史を教えてくれます。

古いお屋敷の屋根についている小さい人形「鍾馗(しょうき)さま」の由来、埼玉最古の銀行では蚕を担保に融資を受けられたこと、川越で一番はじめにできたセブンイレブンなどなど、次々と繰り出される川越の歴史トリビアに参加者は圧倒されていました。
さらには写真撮影のアドバイスも。

鈴木さん

椿の蔵あたりからこっちを撮ると、くらづくり本舗のいわゆる純和風の蔵造建築と奥のルネサンス様式の洋風建築がセットにとれるのでインスタ映えします。

名物ガイドの川越案内を堪能した地元の参加者たちは…。

 

コロナ禍で川越にいる時間が増えたので、改めてこの機会に川越について知りたいなと思って。

 

地元民でも知らないことが結構多かったので、歴史や魅力を知ることができてよかったです。

 

コロナ禍を新たな人とのつながりの機会に変えようと創意工夫で商店街を盛り上げる取り組み「まちゼミ」は、今回は9月末まで開かれています。

来年春には参加する店舗や講座の数をさらに増やそうと、すでに店主同士の研究会が始まっているそうです。川越との新しい出会いの場がさらに盛り上がっていくのが楽しみです。

  • 岸田祥子

    さいたま放送局 キャスター

    岸田祥子

    室蘭局を経て、現さいたま局所属。まちおこしや一児の母であることを活かした母親目線の取材に力を入れています。

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