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コロナで困窮 ひとり親世帯にクリスマスプレゼント

コロナ禍で広がる支援の連鎖
  • 2020年12月14日

「『横浜万歳』ってインスタに投稿しました。横浜に住んでいて本当によかったなと思って」
コロナの影響で生活が苦しくなる中、地域の人たちから支援を受けた横浜市に住む大学生はこう話しました。そして今度はこの大学生が、ひとり親世帯に食料などを詰めたクリスマスプレゼントを贈る取り組みに参加しました。コロナ禍でそれぞれが大変な生活を送りながらも、「誰かの力になりたい」という思いが広がっています。
横浜局/記者 田中徳絵

子どもがうそを… ひとり親からのSOS

「子どもがお腹いっぱいだとうそをついていた。情けなくなり、悲しくなった」

「お金の余裕がないから、心の余裕もない」

横浜市の社会福祉協議会に寄せられた、ひとり親からのSOSです。

もともと非正規雇用の割合が高く生活が困窮しているとされるひとり親世帯。新型コロナウイルスの感染拡大で、家事の負担が増えたり仕事が減ったりと、さらに生活に影響を受けているといわれています。

横浜市の社会福祉協議会にも、緊急事態宣言が出されていたことし5月ごろから、電話やメールを通じて切実な声が寄せられています。

事態を重く見た担当者は、食料の支援を行うことを決め、SNSやホームページを通じて寄付を呼びかけたところ、ことし6月から9月までの4か月でおよそ700万円が寄せられました。

ことし9月に郵送での食料支援を行ったのに続き、12月にも「クリスマスプレゼント」として送ることを決めました。用意した750世帯分の支援枠は、先着順ですべて埋まったということです。

食料と一緒に贈るクリスマスカードは障害者が働く作業所に依頼した

こん包作業に参加した大学生がいた

寄付金で購入された食料の数々には、季節を考慮した気配りがほどこされています。
社会福祉協議会がSNSで行ったひとり親世帯に向けたアンケートなどをもとに、家族で食卓を囲み楽しく過ごしてほしいという思いから、鍋の素やお餅などが入れられました。

12月1日、横浜市で行われたこん包作業には、地元の大学に通うある大学生も参加していました。

日光萌花さん、21歳。神奈川大学の3年生です。

北海道で母親と2人暮らしの家庭で育ち、いまは横浜市内でひとり暮らしをしています。生活費は、大学の学食と飲食店のアルバイトをかけもちして稼いでいました。

しかし、新型コロナウイルスの影響でシフトが激減し、収入が大きく減りました。最も大きな影響を受けた4月には、一日一食だった日もあったということです。

「自分もつらさがわかるから」

そんな日光さんのような大学生に手を差し伸べたのが、大学のある六角橋地域の人たちや社会福祉協議会です。地域の人たちは、地元の大学生を支援しようと、米などの食料や商店街で使える商品券を配ったのです。

六角橋自治連合会 森勤 会長
「困ったときはお互い様です。また生活が落ち着いたら六角橋で遊んでほしい」

日光さんは支援してもらった嬉しさをインスタグラムに投稿していました。

「横浜万歳って書いています。横浜に住んでいて本当によかったなと思って北海道の友達にも自慢したくなったんです。学生を応援しようという気持ちがとても嬉しかったから」

そして、日光さんは受けた支援への感謝の思いから、今度は自分が困っている人の力になりたいと、ボランティアに加わることを決めました。

「自分もひとり親世帯の生活のつらさはわかる」という日光さん。子どものころ、帰りの遅い母親を家でひとりで寂しく待っていたことをよく覚えているということです。今回のプレゼントを通じて、ひとり親の子どもたちに、見えないところで子どもたちを思っている人がいることを伝えたいといいます。

日光さん
「いろいろつらいこともあると思いますが、ひとりではないんだということを感じてもらって、少しでも力になることができたら」

「息子がホットケーキのシロップに嬉しそう」

その後、「クリスマスプレゼント」を受け取った世帯から、社会福祉協議会に感謝のメッセージが次々と寄せられています。子どもたちの描いたイラストには、クリスマスツリーとトナカイ、そして、「ありがとう」のメッセージ。親からも相次いで感謝のメールが届けられています。

「子ども優先の生活で、お餅なんて、もう何年も食べていませんでした。私が嬉しいです。息子もホットケーキにかけるシロップに贅沢を感じて、すごく嬉しそうでした。大切に食べさせていただきます」

「目を向けて頂き、ご寄付をありがとうございます。子どもにも、いろんな方々から支えられて生活出来ている事を伝えていきたいと思います」

支援を受けた感謝の気持ちが誰かを応援する動きへ

新型コロナウイルスの影響で人とのつながりが希薄になりがちだと言われていますが、一部で始まった思いやりの輪は、少しずつ広がり、支援を受けた感謝の気持ちから、さらに誰かを応援する動きへとつながっています。

社会福祉協議会では、新型コロナウイルスの収束が見通せないことからも、今後も支援を続けていきたいとしています。

横浜市社会福祉協議会 若林担当課長
「困ったときは支え合う、そんな思いやりの輪が、横浜でどんどん広がっていけばいいなと思います」

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