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「保育園」で地震・火事が起きたら?

拝見!あなたの防災訓練
  • 2019年11月6日

もしも「保育園」で地震が起きたらどうすればいいのでしょうか。子どもたちといっしょに安全に避難するにはどんなことに気をつけたらいいのでしょう。防災の専門家といっしょに考えます。

保育園で地震!その時…

千葉県船橋市の広大な団地の一角にある認可保育園です。園長は細田加奈子さん。預かっているのは0歳から5歳までのおよそ60人。月に1度、園児を含めて防災訓練を行っています。

防災アドバイザーの鈴木正弘さんに、訓練に立ち会ってもらうことにしました。鈴木さんは、東京消防庁で消防学校長などを務めた防災のエキスパートです。

●倒れてくるものから身を守る ガラスの破片にも注意を

今回は地震と火災が起きたケースを想定しました。緊急地震速報が鳴ったと想定すると、まず家具など倒れてくるものから身を守るために机の下などに身を隠します。揺れがおさまったら怪我をしないよう割れたガラスなどすばやく掃除。そしてすぐに室内で靴を履きます。この保育園では、いつでもすぐに取り出せるように部屋の近くに靴箱を置いているんだそうです。全員が2分以内で履き終わることを目標にしています。

●合図を決めて「静かにすばやく避難」

今回は調理室から火災が起きたと想定し、離れた内階段で避難しました。この保育園では園児たちが静かに行動するとき合図を決めています。それは「忍者さん」。静かに、そしてすばやく行動することを、子どもたちにも分かりやすく「忍者さん」という合図で教えているんです。

●避難所までの移動 「頭上」にも注意!

続いて、避難場所になっている公園までの移動です。保育園から避難場所までは、団地の間を通り、県道沿いの歩道に出ておよそ200メートルあります。大人にとってはそれほどでもない距離ですが、子どもにとってはかなり長い道のり。道路に出る前に、避難経路に危険がないか、保育園の先生が確認します。安全が確認できたら、保育士が道路側に立ち、園児を移動させます。

防災アドバイザーの鈴木さん、ここで気をつけてほしいのは「頭上」だといいます。
例えば電柱の上のほうにあるこの柱状トランス(柱状変圧器)という装置。落ちる危険性があり、中にオイルが入っているので、直撃しなくても大きな被害を受けることがあります。頭上にも気を配って、落ちてきそうなものがあるところはできるだけ避ける必要があると指摘します。

●崩れてくるかも…避難場所でも周囲に注意

歩くことおよそ5分。避難場所の公園に到着しました。広域避難場所に指定されていますが、身を置く場所にもちょっとした注意が必要です。この公園の一角には石垣がありますが、地震の際にはこの石垣も崩れてくる危険があるというのです。避難場所に来たら、近くに倒れてくる危険があるものは避け、広場の真ん中に集まった方がいいと鈴木さんは話していました。

訓練を終えた後、鈴木さんからアドバイスがありました。
「保育園がある地域の状況や、建物の特徴によってするべき訓練も変わってきます。一つのパターンだけで避難訓練を10回やっても20回やっても意味がないので、先生方にはその状況を常に把握しながら、自分が判断し、決心していくということが訓練を積み重ねていく上で非常に重要になってきます。柔軟に対応してほしいですね」。

さらにポイント

●地震だけなら居室も避難場所の選択肢に

さらに、鈴木さんからはこんな提案もありました。この保育園が建っているところは標高が18メートル。海や川からも離れているため津波の危険性が低く、また、鉄骨鉄筋コンクリートの建物なので耐震性が高く地震に強いといいます。そのため、この施設だと、地震だけの場合、避難の必要がなくて、居室自体が避難場所であるとみてもいいと思うとのことでした。
鈴木さんは「子どもたちがお昼寝の最中に地震が起きた場合にも、熟睡している状態の中ですぐに行動を起こすと、半覚醒の状態でかえって危険です。子どもたちは寝ているときは布団などがあって緩衝物にもなっているので全く慌てる必要はありません。従来の地震が発生して即避難という考えは改めたほうがいいと思います」と話していました。

また、園児を迎えにきた保護者に子どもを引き渡すかどうかも臨機応変な対応が必要で、町の中が極めて危険な状態になっている中で、子どもを連れて自宅に帰る行為が本当に安全かどうか、安全が確保されていたらそれでいいが、安全が確保されていなければむしろ無理しないほうがいいということでした。

●火災の恐れ・建物の状態によっては即避難

ただし注意しなければならないことがあります。
建物を外から見たときに、外壁にX型とかV型の大きな亀裂が入っている場合は避難が必要です。また、建物の倒壊や火災の恐れがあるときにも、もちろん直ちに建物から避難することが必要です。

●排煙窓 開ける窓の場所に注意を

続いて、煙を逃がす排煙窓について。火災が発生して煙が出てきたときに、排煙窓を開けるタイミングについて細田園長は気になっていたといいます。
鈴木さんによると、注意してほしいのは開ける窓の場所。離れたところで火災が発生しているのに、近くの窓を開けてしまうと、煙を逆に呼び込んでしまうことになるといいます。開ける必要がない窓を開けてしまうと、かえって危険になる可能性もあるということなんです。

●カーテンは閉めない

また、煙を遮るのでカーテンは閉めず、開けておけばむしろ昼間だと停電に見舞われても外のあかりが取れるので子どもたちも安心していられるとのこと。この保育園の場合、窓には網入りのガラスが使われていて、割れても飛び散りにくいため、カーテンを閉める必要はないといいます。

  • 松尾 衣里子

    ひるまえほっと リポーター

    松尾 衣里子

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