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線状降水帯の情報 30分早く予測の段階で 発表基準や運用どうなる

  • 2023年5月16日

「線状降水帯」が発生し災害の危険度が高まったことを伝える情報について、従来よりも最大で30分早く発表されることになりました。気象庁が5月25日から運用の基準を変更し実際に発生が確認される前の予測の段階で発表することにしたためです。情報の発表基準や運用の変更点などをまとめました。

「線状降水帯」で「顕著な大雨に関する情報」

気象庁は、2021年から発達した積乱雲が帯状に連なる「線状降水帯」の発生が確認され、土砂災害や洪水の危険性が急激に高まった際に「顕著な大雨に関する情報」を発表して安全の確保を呼びかけています。

発表の基準は、3時間の解析雨量が100ミリ以上になっている範囲が500平方キロメートル以上あり、その領域が「線状」領域の直近の3時間雨量の最大値が150ミリ以上、などとなっています。

「線状降水帯」は2020年の7月豪雨や、2018年の西日本豪雨など、大規模な被害となったこれまでの豪雨災害で繰り返し確認されています。

発生確認ではなく予測段階で情報発表

この情報について気象庁は災害の危険度が高まっていることをいち早く伝え、防災行動に役立ててもらうため「線状降水帯」による大雨が予測された場合に前倒して発表することになりました。

「顕著な大雨に関する情報」の発表基準は変わりませんが、新たな運用では実際に基準に達していなくても30分先までに達すると予測される場合に出されます。運用の変更は5月25日午後1時です。

「線状降水帯が発生」の定義も変更

あわせて「線状降水帯の定義」も変更します。これまでは、情報の発表基準を超えたことをもって「線状降水帯による大雨となっている」としていましたが、今後は基準を超えると予測された段階で「線状降水帯が発生した」とするとしています。

これについて気象庁は「過去の事例の検証などから大雨になる確率が非常に高く、実況とも非常に近い時間帯でもある。総合的に判断して『線状降水帯と見なす』と整理した」と説明しています。

過去事例の分析 “84%の精度で予測できた”

運用の変更によって、情報の発表回数はこれまでより多くなるということです。また、過去の事例をもとに分析した結果、30分先までの「線状降水帯」の発生を84パーセントの精度で“予測”できたとしています。
大雨警戒レベル「4“相当以上”」という情報の位置づけはこれまでと変更ありません。

気象庁気象リスク対策課 橋本徹地域気象防災推進官
「新たな運用でも情報が出たときには危険な状況であることに変わりはなく、自治体の避難情報を確認して適切な防災対応につなげてもらいたい」

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